【プレーバック】全国高校サッカー選手権1回戦 札幌大谷1-1寒川※PK12-11(12月29日、千葉県立柏の葉公園総合競技場)
札幌大谷が死闘PK戦制し1回戦突破
北海道代表の札幌大谷は1回戦で寒川(香川)と対戦し、前後半の80分では1-1と決着がつかず、PK戦でもサドンデスまでもつれて12-11で勝利した。札幌大谷は31日の2回戦で今季のプレミアリーグ王者・大津(熊本)と対戦する。
攻撃的なサッカーが持ち味の札幌大谷と県予選で全試合無失点と守備に定評のある寒川の一戦。互いに4-4-2の布陣で、札幌大谷は序盤からボールをつなぎながらパスサッカーで相手ゴールを脅かし、寒川はカウンターを狙う展開となった。前半の札幌大谷は右サイドからの攻撃を中心に組み立て、幾度かチャンスをつくったものの相手GK谷山の好守に阻まれて得点できず。
ハーフタイムに札幌大谷は2トップ左のFW遠藤に代えてスーパーサブのFW簗詰、左サイドハーフのMF田村に代えてテクニシャンのMF松本を入れ、後半は左サイドの攻撃を活性化させた。すると同13分、相手ペナルティーエリア付近でMF曽我部、松本とつなぎ、左サイドバックのDF瀬山が左クロス。そのボールをゴール前に走り込んだFW真浦がヘッドでファーサイドに流し込み、待望の先制点を奪った。
その後も攻撃の手は緩めず、同30分には瀬山に代えてDF今井を入れてさらに畳み掛ける。同32分にはその今井がペナルティーエリア内で右足シュート、続く34分には簗詰の左足シュート、38分にもDF大石がFKからのヘッドとビッグチャンスを立て続けにつくったが、ここでも寒川の谷山が立ちはだかり、追加点を奪えない。
すると同アディショナルタイム1分、相手の右サイドからのロングスローをゴール前ニアサイドに入れられ、中央へこぼれたボールを押し込まれて同点に追いつかれてしまった。
PK戦は互いに5人全員が決めてサドンデスに突入。7人目までも互いに全員決めたが、先攻の札幌大谷は8人目、2周目となった12人目が外し、後攻の寒川もそれぞれ失敗してしまう。結局、14人目のキッカーまでもつれ、しっかりと決めきった札幌大谷が12-11で勝利した。
■指揮官として初陣初勝利となった札幌大谷の清水隆行監督(49)
「本当に2回負けてもおかしくないタイミングがある中で、2巡目まで行くっていう、なかなかできない経験をさせてもらいました。選手権て簡単じゃないなって。試合の内容自体はそんなに悪くはなかったかなと思うんですけど、やっぱり決めるべきところで決めないと、最後にああいうセットプレーの所を突かれるという難しさを試合を通して学んだかな」
■高校日本代表に選ばれ、来季からJ2のFC今治へ加入する笹修大主将(3年)
「大谷は全国1勝までしかまだできてなくて、歴史を変える意味でも、本当に次の試合は大事になってきます。相手も日本一のチームで、すごい難しいゲームになると思うけど、中1日あるので、歴史を変える準備をしっかりしていきたい」
■後半13分にDF瀬山晴也(3年)の左クロスに頭で合わせたFW真浦劉(3年)
「本当に点数を決められて気持ち良かったのが一番です。(PK戦は)ドキドキしたんですけど、仲間のみんなが絶対に決めてくれると信じていたし、(GK)高路地も絶対に止めてくれると信じていた。最後、こういった形で勝てて本当に嬉しい」