《ハム番24時》12月30日
先日、本社の移転に伴い物品を整理していると、額装された大谷翔平(30、ドジャース)の写真が出てきた。それは日本ハムに所属していた2013年7月10日の楽天戦(Kスタ宮城)で自分が撮影したものだった。ルーキーが記念すべきプロ第1号をマークした写真だ。
今年も大活躍だった大谷。前人未踏の「50-50」を達成し、2年連続メジャーMVPを獲得。29日には夫人との第1子妊娠を発表し、オフも話題が尽きることはない。日本ハムから大きく羽ばたいた世界的大スターの〝第一歩〟を収めた写真に何だか誇らしくなった。
当時の本紙を見たら、やはり一面を飾っていた。「右翼席中段へドッカン プロ1号2ラン」と見出しも躍り、「東北で打てて良かった。思い出に残ります」と今と変わらぬ爽やかなコメントを残していた。左打者の大谷が右翼方向へ放ったことで、一塁側カメラマン席から撮った写真にはバットを振り抜いた瞬間に打球を見上げる凜々しい顔がバッチリと写っている。
その日の日記を見返すと、一塁側カメラマン席には自分を含めた3人しかいなかったらしい。当時の大谷は打球を引っ張ることがあまりなく、流し打ちで長打を記録することが多かった。なので多くのカメラマンは打った後に顔が見える三塁側にいたのだ。当然、裏を食ったことでそちら側で撮った写真には大谷の顔はここまで写らなかっただろう。
自分は日本ハムのベンチが一塁側だったこともあり、運良くその瞬間の一番良い絵が撮れた。日記にも「歴史的な第一歩を最高の位置で撮れた喜びで疲れが吹っ飛んだ。明日の各紙一面が楽しみ」などと小躍りしながら綴っている。
今思えば恥ずかしい限りだが、恥ずかしさついでにもう一つ欲張るなら、プロ最後のホームランもどうかこちらで、北海道の方で撮らせていただきたい。