DeNA4位指名152キロ右腕・若松尚輝が母校・札幌第一高の激励会で目標は2桁勝利と意気込み語る
OB会主催の激励会に出席
昨年10月のドラフト会議で独立リーグの高知ファイティングドッグスから北海道出身選手最上位の4位で横浜DeNAベイスターズに指名された152キロ右腕・若松尚輝投手(24)が5日、母校の札幌第一高を訪問。後輩らと体を動かした後、OB会主催の激励会に出席した。7日には神奈川・横須賀にある寮に入寮し、8日からの合同自主トレで本格的にプロとしての第一歩を踏み出す。
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まずは開幕1軍目指して先発ローテへ
異色の経歴をたどってきた若松のプロへの挑戦が始まる。1年ぶりの母校。当時とは立場が全く変わった。合同自主トレを3日後に控え、「いよいよ始まるって、新鮮な気持ちですね。1年目の目標は、まずは開幕1軍を目指してけがをしないでプレーすることと、目標は大きく言うと、先発ローテに入る。そして2桁勝利するぐらいの気持ちではいきたい」と、気持ちは高ぶっている。
同校からのプロは21年ぶり4人目
同校出身のプロ選手は日本ハムOBで現ブルペン捕手の渡部龍一捕手(39)以来、21年ぶり4人目の指名で、投手としては初めての指名だった。同校入学時は内野手をしており、「よくエラーをして外野手にコンバートされた記憶があります」と、懐かしそうに苦笑いを浮かべた。
「ハマのアンパンマンと呼んで」
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昨年、DeNAは26年ぶり3度目の日本一に輝いた。「下克上して日本一にもなったチームで、ほんとにファンとの一体感もすごいある。チーム自体もすごく雰囲気のいいチームだなって思います」。昨年12月7日にファンの前で背番号39を付けたユニホーム姿を披露した。「1000人ぐらいの前でお披露目させていただいて、本当に嬉しかったですし、このファンの前で野球ができるありがたさを感じました」。その際、「ハマのアンパンマンと呼んで」と呼び掛け、ファンの心をわしづかみにした。
それぞれの所属で最上位指名
札幌学院大3年時に強肩を買われて投手に転向。プロ入りへの道が開けた。高校、大学、独立とそれぞれの所属チームの中で歴代最高位の4位指名に「独立リーグも近年注目されてる中で、ほんとに評価していただいて、そこは素直に嬉しく思います。札幌第一高校のOBとして、これから活躍してプレーで恩返しできたら」。
同校の菊池雄人監督(52)は「プロになって満足するんじゃなくて、やっぱり頑張ってほしい。プロ野球は華やかな世界。一人の人として精一杯、ほかの人が経験できない世界で頑張ってくれて、また顔を出してくれればありがたい」。かわいい教え子の情報をチェックする楽しみが増えた。
独立1年目に右肘手術も背水の覚悟
苦労人だ。大学では4年間、札幌学生野球2部リーグ。表舞台とは縁がなかった。高知では1年目の2023年に右肘を手術。地元に戻って札幌第一高OBの会社で夜勤のアルバイトをしながらリハビリし、24年に再び高知へ。「(独立リーグは)2年ぐらいと期限を決めていました。(ドラフトに)かかってなかったら、たぶん辞めていた」と背水の覚悟で挑み、見事にプロ入りの切符をつかんだ。
「自分自身が夢を諦めないでやっていけば、この年まで本当に夢を追いかけられるんだっていうのを証明できた。これからも頑張っていけたら」。雑草魂を持つ道産子オールドルーキーが、激しく厳しい競争を勝ち抜き、満員のファンで埋め尽くされたハマスタのマウンドを目指していく。