札幌大谷が初出場初勝利 1年生の大型セッター三谷が攻撃にバリエーション【春高バレー男子】
■全日本バレーボール高校選手権 第1日(1月5日、東京体育館)
▽男子1回戦 札幌大谷2-0天理(奈良)
初舞台にも動じず
創部5年目で春高初勝利! 1年生セッター(Se)の三谷南々斗が、攻撃のタクトを振るった。入学時からポジション争いを勝ち抜き、正セッターの座を射止めている三谷は「やっぱり最初は緊張していて、トスが乱れたりしてしまった」と話したが、初の春高の舞台にも動じることなく、頼もしい先輩たちを信じてトスを上げ続け、チームを歴史的勝利に導いた。
夏の反省生かした
多彩な攻撃は、春高初勝利を狙うチームの課題だった。夏のインターハイでは予選グループの敗者復活戦を制し、決勝トーナメントに進出。しかし、1回戦で相対したのは同大会準優勝を果たした東福岡だった。全国トップクラスの実力をまざまざと見せつけられた。16-25、13-25と大差を付けられてのストレート負け。三原隆佑監督(34)は「レフトのエース2人しか攻撃ができないっていうパターンがすごくあった」とバリエーションの乏しさを痛感した。
選手たちが自主的に改善策を模索
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この敗戦を機に選手たちの意識も変わった。アウトサイドヒッター(OH)の内山碧人主将(3年)が中心となり、自主的に攻撃の改善を試みた。この日の1回戦は天理(奈良)相手に2-0。ライトも活用するなどして、相手の壁をこじ開けていった。三原監督は「レフトも2枚ビッタリ跳んでくることがなかったりとか、分散はできていたのかな」と目を細めた。
学年関係なく互いに信頼し合う
1年生ながら攻撃の司令塔を担う三谷は「トスをきれいに上げたら決めてくれるので、すごくやりやすいです」と先輩に感謝したが、「きょうの試合はレフト、ライトのサイドに偏ってしまったので、そういうところも修正していきたい」と反省も忘れなかった。
先輩たちからの信頼は厚い。三谷からのトスを幾度と決めたOH藤盛大貴(3年)が「1年生なのに、とても肝が据わっていて、すごく打ちやすい」と笑顔を見せると、三原監督も「1年生でこの舞台で普通の力を出すっていうことだけでも相当難しいこと。トスの短い、長いは多少あったにしろ、打てないトスっていうのはなかったので、すごく頑張った」と称賛した。
王者相手にも自分の役割果たす
184センチ、最高到達点は315センチという大型セッター。同ポジションは中学3年時からで、まだ2年ほどの経験と伸びしろは十分。三谷は「セッターが一番難しいと思うし、バレーボールの大事な鍵となってくると思うので、そういう部分を託されたので、しっかり自分の役目を果たそうと思います」と力を込めた。6日の2回戦の相手はインターハイ王者・駿台学園(東京)。歴史の1ページを刻んだ勢いに乗って、相手を惑わすトスワークで大金星に導く。