初出場の旭川志峯は〝春高の圧力〟に戸惑い 八王子実践にストレート負け【春高バレー女子】
■全日本バレーボール高校選手権 第1日(1月5日、東京体育館)
▽女子1回戦 旭川志峯0-2八王子実践(東京)
独特の雰囲気を体感してリズム狂う
春高の魔物に呑まれた―。初出場となった旭川志峯は名門・八王子実践の前に0-2で屈した。相手の大応援団のみならず、3階席まで客席が埋まる東京体育館の独特の雰囲気に慣れる前に勝負が決してしまった。普段とは違った環境で実力を発揮する難しさを目の当たりにし、福田まどか監督(47)は「対策もしてきたし、本当にいける準備はしてきたんですけど」と肩を落とした。
4コート同時に試合が行われる会場は、大きな歓声が常に鳴り響く。そんな波に呑まれると、抜け出すのは難しい。この日だけではなく、東京に遠征して調整を進めることも初めての経験だった。普段の移動はバスのみだったが、電車を乗り継ぐことも一苦労だ。知らず知らずのうちに心身の疲労が蓄積していたのかもしれない。
春高経験者の指揮官が準備してきたが環境の変化で午前中の練習もミス連発
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前日4日までは順調な調整をできていたようだが、福田監督は「きょうの午前中の練習が良くなかった」と異変を察知。練習からミスを重ねての会場入り。そして会場に集まる人の多さや、動きの流れにも神経を使わざるを得なかった。選手時代の旭川実業で春高を経験している指揮官は「ここがスタートライン」と、環境の変化については口酸っぱく伝えてきたつもりだった。しかし「やっぱりこの環境に慣れて力を発揮するところまではいかなかったのかな」と、その影響は想像以上だった。
戸村主将「力を出し切れなかった」
試合後、アウトサイドヒッター(OH)の戸村由那主将(3年)は「やっぱり今終わってみて、会場の雰囲気とかに呑み込まれた。そういうところで相手はやり慣れているなと感じて、力を出し切れなかった」と振り返った。自身のプレーには「悔いはない」と言い切ったが、「もう一回、オレンジコートでやりたかった」と唇をかんだ。ミドルブロッカー(MB)の山保ななみ(3年)も「早くにこの体育館の応援とか、客席の環境とかに慣れることができなくて、自分のプレーを出せなかった」と〝春高の圧力〟を身に染みて感じた。
福田監督「ここ基準で頑張ります」
勝てると踏んでいたからこそ、この圧力に屈したことが悔やまれる。福田監督も「本当に力が付いた。最低2試合と思っていた」とチーム力には手応えを感じていただけに、「非常に残念ですけど、ここ基準で頑張ります」と出直しを誓った。春高の舞台で勝利を掴むためにも、この苦い経験を生かすしかない。