インターハイ王者・駿台学園に屈した札幌大谷 一丸となってつかんだ新たな1ページ【春高バレー男子】
■全日本バレーボール高校選手権 第2日(1月6日、東京体育館)
▽男子2回戦 札幌大谷0-2駿台学園(東京)
創部5年目で大きな飛躍
歴史を刻んだ世代の戦いが終了した―。札幌大谷は高校総体王者の駿台学園にストレート負けを喫し、初の春高を終えた。昨年2月に行われた北海道新人大会4位から始まったチームは、主将交代などチーム内の変革期を経ながら着実にステップアップ。三原隆佑監督(35)が率いたチームは昨夏の高校総体北海道予選で優勝し、最後は春高初勝利と、創部5年目で大きな飛躍を遂げた。
今チーム最後の戦いを終えた選手たちは皆、晴れやかな表情を浮かべていた。春高初勝利を挙げた札幌大谷は、一夜明けて日本一の駿台学園に立ち向かった。第1セット序盤は先にブレークポイントを奪うなど、競り合いを見せていたが、さすがは頂点に立つチームだった。技術も高さも上回られ、時間を追うごとに点差は開き、14-25の大差で第1セットを落とした。
気持ちで負けず楽しむかのように
「1桁(得点)で負けることも覚悟していた」(三原監督)が、その代わり、声出しや足の動きなど、気持ちの面では負けないことを徹底。アウトサイドヒッター(OH)の内山碧人主将(3年)も「楽しまないともったいない」と全国トップクラスの相手に真っ向からぶつかっていった。
第2セットの15-23からは内山主将がバックアタックを決めるなど、意地の4連続ポイント。最後は力尽きたが、20-25と第1セットよりも得点を伸ばした。「後半Bチームだったとは思うんですけど、20点取れた」と、三原監督は最後まで戦い抜いた選手たちをたたえた。
新チーム結成当初は清水が主将
成長曲線こそ右肩上がりに見えるが、簡単な道のりではなかった。新チームを結成した当初は、選手間の投票でOH清水健州(3年)が主将に就任した。元々リベロ(L)を務め、チームを支えていた清水だったが、徐々に出場機会が減少したことにより、自身の影響力が低下するという懸念を抱いていたという。三原監督は幾度も面談を重ねながら、強く引き留めていたが「(清水の)辛いという感情が消えなかった」(三原監督)と、想像以上に大きな悩みとなっていた。