選抜甲子園出場確実の東海大札幌高が新年初始動 冒頭で約1分30秒の無言ミーティングも
デジタル世代の新たなルーティン?
今春の選抜甲子園(3月18日開幕)出場が確実な東海大札幌高が7日、新年最初の練習を行った。昨秋に就任した遠藤愛義監督(40)は選手たちを集め、冒頭で約1分30秒の〝無言ミーティング〟からスタートした。
選手はノートとペンを持ち、携帯の画面をのぞいている。その様子をじっと見ていた指揮官は選手全員が顔を上げるまで待ち、ようやく通常のミーティングに進んだ。その真意を遠藤監督は「僕が作った文章を先に選手に送って、それを全部読ませる。今はもう携帯が便利なんで。紙ベースだとなくす選手がいる。最初は紙ベースでやっていたけど、携帯の方が早いなと。保存して読み返してもらいたいのが一番」と説明した。山口聖夏主将(2年)とはLINEで直接やりとりするなど、どうやってデジタル世代とコミュニケーションを図るかにも工夫を重ねている。
テーマは『新時代を築く』
道内高校野球史を塗り替える―。遠藤監督は選手たちに語りかけた。「一番の目標は夏に勝つこと。夏に日本一を。それが今年最大の目標だよね。夏まで、8月までを考えた時に、この1、2月が非常に重要。一日一日、目標を持って練習に取り組めるかどうかが非常に重要。選抜が決まれば10年ぶりです。10年前は準優勝してます。ただ、その次の夏は甲子園に出られていない。そこからずっと遠ざかっている。それを変えたい。北海道で選抜優勝したチームはない。そこに自分たちの名前を刻むことができるかどうか」。
今年のテーマは『新時代を築く』。選抜の北海道勢初優勝、さらに20年ぶりの夏の全国制覇という史上8校目の春夏連覇の偉業達成へ照準を絞った。
東海大系列の祝賀会で嬉しい話
昨秋、監督に就任して公式戦負けなしで全道王者に輝いた。年末年始には地元・神奈川で東海大系列の関係者による祝いの席が設けられ、そこで東海大相模時代の2学年先輩で、21世紀枠候補校に選ばれた神奈川・横浜清陵の野原慎太郎監督と同席した。「一緒に出て、1回戦は嫌ですけど、対戦できたら最高だよねって話をしました。(恩師の)門馬先生とは電話でちょっと話したぐらいだったんですけど、野原先輩から『相当喜んでたぞ』って。また聞きってすごくうれしいじゃないですか、直で言われるより。何事もなく出場できたら」と、今月24日に行われる選抜高校野球の選考委員会を待ちわびる。
肉体改造にシフト
目標達成へ、東海大相模と東海大菅生で選手、部長、コーチとして培った人脈をフル活用する。23年春に東海大相模コーチから東海大札幌高のコーチに就任。指揮官として臨む初のオフシーズンは技術練習の重視から肉体改造にシフトする。明治神宮大会では「広島商業さんも体が大きかったですし、横浜高校さん、東洋大姫路さんも。注目されるチームの選手の体は、うちとはちょっと違う。そこはちょっとフォーカスしていきたい部分。うちの子たちは脂肪がちょっと多い」。トレーナーと連携しながら、除脂肪体重を重視して、筋肉量の増加に取り組む。