岩政新監督のキーワードは〝プログレッシブ&フロー〟 ミシャサッカーをさらなる高みへ
ミシャイズムの継承とアップデート
掲げるテーマは継承と前進―。9年ぶりにJ2を戦う北海道コンサドーレ札幌は、8日から沖縄・金武町での1次キャンプに臨む。今季から就任した岩政大樹監督(42)は6日に道新スポーツデジタルのインタビューに応じ、ミハイロ・ペトロヴィッチ前監督(67)の築いた独自のフットボールを昇華させ、最短でのJ1復帰を誓った。
人とボールが連動するパスサッカーは、観衆を魅了する。札幌が持つ最大の武器に新たな風を吹き込み、劇的なドラマを描き上げる。バトンを引き継ぐ指揮官は、偉大な先人の功績に強いリスペクトの念を抱いている。
「ミシャのフットボールが大好き。その哲学は、いろいろな監督さんがやりきれなかったもので興味深く見ていた。僕も同じ路線の監督になりたいし、継承する思いが根本にある」
新たな一手の模索「他のクラブよりも先進的に」
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美しいサッカーは、ときに爆発的な攻撃力を発揮する。その一方で脆さを併せ持ち、勝利との両立は難しかった。革新的な戦術も、時間が経てば対策される。指揮官は時代の潮流を見極めながら、新たな一手を模索する。
「サッカーは10年でモダンなものが変わる。ミシャもいくつかの面でアップデートしきれなかったことがある。Jリーグの新しい流れの中で、置いていかれる部分もあったと思う。そこをアップデートして前進させ、他のクラブよりも先進的にやっていくことを打ち出したい」
ゾーンの中で生まれる瞬間的アイデア
理想を現実にするためのキーワードは〝プログレッシブ&フロー〟。その言葉の持つ意味を、岩政監督は熱く説いた。
「プログレッシブというのは前進であり先進。常に相手ゴールに向かう。組織の雰囲気も積極的でポジティブに次へ向かえるように。フローは海外で表現される言葉で〝ゾーン〟に入ること。選手たちが没頭できる雰囲気、その中で生まれる瞬間的なアイデアを大事にしたい。流動的という意味もあるので、ポジションを固定せず選手が移り変わり、相手が分析しても分からない仕組みづくりを目指す」
長らく名門・鹿島アントラーズをけん引し、J2岡山、タイやベトナムと比類なき道を歩んできた。豊かな経験に裏打ちされた哲学は、札幌に何をもたらすか。いよいよ始まる沖縄キャンプの動向に、注目が集まる。