球団職員に転身した道産子の鍵谷陽平さん 「北海道、ファイターズに恩返し」を誓う
昨季限りでユニホームを脱いだ道産子右腕
昨季限りで現役引退した鍵谷陽平さん(34)が日本ハムの球団職員として〝第2の野球人生〟をスタートさせた。
七飯町出身の道産子が9日、道新スポーツの取材に応じ、意気込みを語った。
スーツ姿に照れ笑い 選手ファーストを意識
配属先はチームの編成業務を担うベースボールオペレーション部ベースボールオペレーション。8日から始まった新人合同自主トレでは、スーツに身を包んだ鍵谷さんの姿があった。「ジャージ着たいですけど」と照れ笑いを浮かべながら、スタッフ会議などミーティングに出席。慌ただしい日々を送っている。
「社会人1年目なので、分からないことばかり。状況把握と、みんなの話を聞いて勉強しているだけです。僕が選手だった時は周りの方にサポートしてもらって、やりやすい環境をつくってもらっていた。なるべく選手がプレーしやすいように、どうやったらそれができるかを諸先輩方に聞いて勉強したいです」
豊富なマウンド経験を生かして精力的に活動
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今後は北海道に拠点を置きながら、裏方として日本一を目指すチームを支える。日本ハム、巨人で420試合登板と豊富な経験を生かし、業務内容は多岐にわたる。
「いろいろやります。エスコンに残って、1軍のピッチャーの残留練習のお手伝いとか。鎌ケ谷にも来るし、いろんなことを勉強して、顔を出して。パソコンも使いますよ。得意じゃないですけど(笑)。中学校の時にノートパソコンでメールのやりとりをしていたくらい。タイピングは全部の指は使えないけど、両手は使えます」
ファイターズ愛、北海道愛を胸に
2012年ドラフト3位で日本ハムに入団。19年シーズン途中に巨人へトレード移籍し、昨季5年ぶりに古巣に戻ってきた。24年限りでユニホームを脱ぐことを決意。引退後さまざまな選択肢があった中で、生まれ育った故郷への愛が決め手となった。
「ファイターズにドラフトしてもらってプロの生活が始まって。ジャイアンツに行って、お世話になって。いろいろ選択肢がある中で、もちろん考えましたけど、北海道、ファイターズにもっと恩返ししなきゃいけないな。できるか分からないですけど、力になりたいなっていう思いで。北海道は育った場所ですし、ファイターズに恩を返せていない部分がある。今後も温かく見守っていてください」
温厚篤実な人柄で愛された男は、縁の下の力持ちとしてチームに尽力する。