【一問一答】伊藤大海 自主トレ公開でエースの自覚 打倒ソフトバンクへ「かじを取っていきたい」
本拠地のエスコンで土台作り
昨季、最多勝、最高勝率の2冠に輝いた日本ハムの伊藤大海投手(27)が11日、エスコンフィールド北海道で自主トレを公開し、キャッチボールなどで汗を流した。新しい変化球「キックチェンジ」の習得を目指すなど、このオフも精力的。先発が内定している本拠地開幕の「4・1ソフトバンク戦」に向けて、打倒ライバルの意思を示した。初詣や釣りの話題にも触れた一問一答は以下の通り。
―2年続けてエスコンで自主トレ。どんなテーマで取り組んでいるか
「いつも通りというか、変わったことはないですけど、けがなくしっかり今シーズンを戦い抜けるように、そんな準備をしていこうと。とにかく慎重にはやっています」
―キャッチボールで握りを1球1球、確認していた
「そこから始まっていくと思うので。まだまだ指も硬くなってきてはいないので、硬くなってくるまで距離も控えながらいい形で進めていけたら。そこもかなり慎重に気を使いながらやっています」
―いろいろな変化球を投げていた
「きょうは(ブルペン捕手の)かじ(梶原)さんが来られたので、いろいろと試しながら見てもらいながらと思ったので」
―新しい球種も
「いろいろと試してはいますけど、チェンジアップ系ですね」
―これから精度を上げていくのか
「まあ、そうですね。使えるようにはしていきたいと思っています」
―あらためてエスコンで自主トレをする理由は
「ここで全てできちゃうということ。去年から始めましたが、その前年(2023年)に勝てなかったというのが、一番の理由でしたが、24年シーズンはたくさんいい思いもしましたし、ここから始まっていくんだという気持ちの面も含めて。意外とこの寒い感じも気に入っています」
―今、取り組んでいることは
「課題として柔軟性だったり、パワーというところの強化ももちろんですが、体を自分が理解して、使いこなせるというところに着目してやってきている。より再現性を高めるためにも自分の体としっかり向き合うというところはメインテーマかなと思います」
―年末年始はどう過ごしたか
「朝6時に起きて、準備ができ次第、釣りに出かけるという。(12月)28日に帰って、そこから1月6日まで全部、釣りをしました」
―釣果は
「この4年間で一番いい。天気も良かったんで。アイナメがメインです」
―何センチぐらいのアイナメを釣ったか
「最終日に57センチというのがありました」
―釣果を含めていい年になりそう
「釣り仲間に連絡したら、今年の運を使い果たしたな、と言われました(笑)」
―初詣は行ったか
「はい。小吉小吉小吉大吉。4回引きました」
―大吉が出るまで
「大吉が出るまで引きました」
―毎年恒例のスタイル
「そうですね。大吉が出るまではとりあえず引くし。吉まで、読みもしないで結んじゃうという。ルーティーン」
―何が書いていたのか
「大吉ですね。大吉は結構、いいことが書かれていたので、これだなと思いながら。それを財布に入れて今年のお守りがわりにしようと」
―去年よりも大吉が出るのは早かったか
「去年は確か1発だったような気もするんすけど。去年はあまり引いた記憶がないです」
―ホーム開幕戦の先発を告げられている。そこで投げるイメージは、徐々に鮮明になってきているか
「シーズンに入ってどうというイメージはそこまでなくて。昨シーズンのこの期間もそんな感じだったんですけど、徐々に徐々に、気持ちも高まっていくという部分はあった。ちょっとスローペース気味ではあるんですけど、それに対しての不安もないですし、自分のステップをしっかり踏んでいく」
―昨シーズンは最多勝と最高勝率の2冠。今シーズンの目標は
「まだまだ課題だらけだと思いますし、自分自身が一番期待できるように、そんなシーズンにしたいと思っている。この1月、特に土台作りの時期を大事にして、去年は取れなかったタイトル、そこを目指して頑張りたい」
―具体的には防御率や奪三振も
「去年、表彰がなかったタイトルが欲しい」
―寒い中でもキャッチボールは半袖。こだわりがあるか
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「シーズン中に半袖に変えてから、長袖で投げることに気持ち悪さがあって。もちろんしっかり中でアップしています。そんなに問題はないです。寒いのが気に入っているという部分では、体の不具合が出やすいので、寒い方が。暖かいとがちょっとごまかしが効く部分があるので、より繊細にできるなと」
―チームとして求められるものが高くなる。覚悟は
「その(活躍した)翌年というか、今年がすごく大事だと思いますし、ポッと出でタイトルを取れたと思われたくないので。もう一回、タイトルをしっかり取るというイメージを持ちながら、去年はできなかったリーグ優勝へ、チーム全体でもっていかないといけない。みんなそういう気持ちで今、やっている。2月、みんなと戦う顔で会えたらなと思います」
―キャッチボールでジャイロ系の球を投げていた
「チェンジアップなんですけど、去年、メジャーで何名か投げていたキックチェンジという。キックチェンジアップ、ちょっと中指を立てて投げる。そこを支点に。それを今試しています」
―感覚が良かったら試合でも
「そうですね。使いこなせるといい武器にはなると思うので。この時期は試しながらやってみて、実戦に入ってからバッターの反応を見ながら、という形にはなると思う」
―きょう、投げた感覚は
「出力が今はそんなにないので。変化球もスピードが遅い分、大きく曲がったり、落ちたりというのはある。ラインがまだ見極める対象になっていないですけど、出力が上がってきた時にどういう軌道になっていくか、見極めたいと思います」
―新しいチェンジアップは空振りを取るようなイメージか
「スプリットより遅くて落ちて、というイメージですかね。チェンジアップよりフォークに近いような、スプリットチェンジに近いような、奥行き系ではないです」
―昨シーズン、投げている中で必要かなと思う場面があったのか
「クライマックスのソフトバンク戦でスプリットがスピードが出すぎて、真っすぐ対応してきた打者に、ちょうど合ってしまった、という感覚はあった。そこに1個、引き出しを増やす意味でも、このチェンジに限らず、緩急という部分がかなりキーになってくるかなと思う。今まであまり着目してなかったところなので、取り組んでいこうかなと」
―オフに回転数を計測して見直すような取り組みもしているか
「計測はしていないですね。僕はシーズン中の出力や、シーズン中の体の感覚でいろいろ変えていきたい。新しい変化球を作ってどうのこうのというよりは、そういうことをできる準備だけしておいて、実戦に入った時にこれ使えるかな、使えないかな、ということをしていきたいかな」
―キックチェンジはメジャーのどの投手を参考にしたか
「ジャイアンツの若い投手(ヘイデン・バードソング)がいるんですけど。めっちゃいいっすね」
―習得を目指すことになったきっかけは
「3日前ぐらいに映像を見て投げてみて『お、結構いいかも』と思っちゃって。投げていこうかなと」
―球種が豊富。試合でどう使うか
「そうですね。真っすぐ、スライダー、カット、スプリット。ここは多分、絶対にブレないところではあると思うんですけど、引き出しとして、緩急枠でカーブなのかチェンジアップなのか。試合ごとにバッターの状況を見ながら、いろんなものを引っ張って来られるようにしたいです。きょうはこういうピッチャーでいこうみたいなイメージですかね。主体はブラさずに、落ちる球はこっちの方がいいかなとか。前回と違うじゃん、みたいな感じで覚えてもらえるようなスタイルにしていきたい」
―今、引き出しはどれぐらいあるか
「どれぐらいなんすかね。派生させようと思ったら、いくらでも派生はさせられるんですけど。ナックルぐらいかな、投げられないのは。ゲームで絶対無理だなと思うのは。基本的に、変化球ってだいたい試した初日はいい球がいくんですよ。いいイメージがないので。初めての感覚で初めての軌道を出そうと思うと、割とその日はいいですけど、続かないのが変化球なので。それをどこでどうチョイスしていくか。ここのソフトバンク戦には取っておこうとか、ライオンズ戦にはこれを絶対残しておこうとか。そういうふうにはなってくると思う。いつでも出せるわけではなくて、今だ、みたいな。フォーム的にも今はこっちの方が合っているなとか、そういう出し方をしたい」
―去年のチャンピオンでもあるソフトバンクに対する意識は高いか
「そこまで、ソフトバンクどうこうということはないんですけど、そこに勝たないことにはどうしようもない。チーム状況はどこも変わってくると思う。どこのチームでも対応できる、というやり方はしたい」
―本拠地開幕戦で先輩(上沢)が投げてくる可能性も
「かわいそうになってきました(笑)」
―あえてコメントを
「(右肘の状態が)良くないですよね、たぶん。早くけがを治してもらって、100%で来てください。そこ(本拠地開幕戦)ではなくても」
―今年の大吉のおみくじにはいいことが書いてあったか
「これだ、と思ったっす」
―どこで引いたのか
「函館八幡宮です。毎年ですね」
―おみくじはシーズン中に持ち歩いているか
「いつも財布ですね、だいたい」
―去年もいいことが書いてあった
「そうですね。去年は開幕戦っぽいな、というやつで、今年は続きじゃないですけど、そんなイメージかなと。ピンときました。大吉でも書いている内容によっては引き直したりしているんですけど、これだなと」
―去年の開幕投手と今年の本拠地開幕、心境の違いは
「同じ。同じというか、どの試合も特別どうこうはないんですけど、去年は初めてだったというのはもちろんありますし、僕、ホーム開幕は初めてなので。ワクワクはしていますね」
―開幕投手に指名されている金村にアドバイスは
「いやいや全然。あいつは、のほほんとしているので」
―金村はプレッシャーをかけられていると
「でも初戦、勝つと勝たないとでは全然違うので。勝ったから言いますけど(笑)」
―監督はあえてソフトバンク戦に
「本当の開幕戦と同じぐらい大事だと思います、その一戦は。やっぱり去年、あれだけの差で勝ちきったチームにどういう姿勢で戦っていくか。どういう姿勢を見せるか、というのはすごく大事だと思うので。僕の投球だけにかかわらず、チームとして今年はちょっと違うなと思わせなきゃいけない一戦だと思う。そこのかじをしっかり取っていきたいなと思います」
―エスコンの内野が人工芝に変わる。影響は
「どうなんですかね、全然イメージがわかないですけど。ちょっと打球が走ったりするのかな、というのもありながら、どうなるか分からないです。ヒットが増えるものなのか、ゲッツーが取りやすくなるものなのか。いろいろ考えられることはあると思うんですけど。個人的には外野の芝だけは残してほしいなと思います。せっかくなので」