《平川弘のCool Eye》岩政監督の色はトップ下の起用法に出るだろう
基本システムは3-4-1-2
札幌は今月8日から沖縄キャンプに入って汗を流している。現在、第1クールが終わり、そろそろトレーニングゲームが行われる頃。今季の札幌のサッカーの輪郭が少しずつ見えてくる。
これまでのトレーニングで岩政監督が用いた並び、システムは3-4-1-2で3バック。「アイデアの一つなので、これにとらわれ過ぎないように」と選手には伝えたそうだが、基本はこの並びなのではないかと思う。
個人的には4バックが理想
私の意見はどうでもいいが、個人的には4バックが理想である。なぜならピッチの横68メートルを3人で守ることは難しいからだ。面子を見て、それが可能なディフェンダーがいるなら話は別だが、最終ラインに4人を置いてスペースを埋めながら失点を少なくしたい。
ただ、サイドバックは絶対攻撃に絡まないと得点を増やせないので、どちらかのサイドバックは必ず前にポジションを取る。その時は当然、後ろは3枚になる。4バックをやるにはマークの受け渡し、カバーリング、ラインコントロール等ができる屈強なセンターバックが必要。鹿島時代の岩政監督のように。
3バック中央は経験ある大﨑だろう 岩政監督は前体制の悪癖を修正して
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
それは今の札幌では難しい。センターバックがいないし、前に人数をかける攻撃サッカーというところで後ろは必然的に3枚になる。今季、その3バックの中央、リベロを任されそうなのがDF大﨑のようだ。ペトロヴィッチ体制ではMF宮澤、DF岡村が起用されてきたが、岡村が町田へ移籍したためにいなくなった。マークの受け渡し、カバーリング、ラインコントロールができるのは、経験のある大﨑だろう。
DF中村やDF家泉もストッパーならそこそこできるが、真ん中はまだまだ信用できない。昨季はボランチで貢献してくれた大﨑だが、最終ラインのリーダーとしてディフェンダーをまとめてほしい。とくにペトロヴィッチ時代のマンマークの悪癖でカバーリング、マークの受け渡しの意識が低いところは岩政監督はもちろんだが口を出してほしい。そして、DFラインを押し上げて3ラインをコンパクトに保たないと、そんなに速さのない大﨑は裏を取られるので注意が必要だろう。
既成概念にとらわれない起用を
3-4-1-2のトップ下だが、能力的にはMF青木やMF長谷川が候補で該当するが、それはスタンダードな場合。可変、流動的なフォーメーションではその限りではない。岩政色を一番出すところだろう。既成概念にとらわれない起用を見てみたい。