【コンサドーレ沖縄キャンプ】
■１月１５日、沖縄・金武町陸上競技場
▽練習試合（３０分×３）　札幌１１－０ＦＣセリオーレ（１－０、４－０、６－０）
札幌得点者：出間、白井、青木、バカヨコ２、中島３、多田（札幌Ｕ－１８）、木戸２

　沖縄１次キャンプを行っている北海道コンサドーレ札幌のＦＷ中島大嘉（２２）が１５日、今季初の対外試合・ＦＣセリオーレとのトレーニングゲームに出場し、ハットトリックを達成した。高い身体能力が武器のストライカーは得点を量産し、新体制でのレギュラー奪取を目指す。

開始２分のファーストタッチで１点目

　結果が物言うプロ稼業。数字への強いこだわりを胸に、ピッチへ向かう男がいる。３０分×３本で行われた試合の３セット目に出場した中島は、開始２分に得意のヘディングでゴールを奪うと、その後も右足と頭で立て続けにネットを揺らし、大勝に貢献した。

　「（１点目は）ファーストタッチでした。もう少し点を取れたかなと思うけど、３点はチームのトップスコアラー。僕はチーム内得点王でシーズンを終えたいと思っている。面談で（岩政）大樹さんが『点を決める選手は使わざるを得ない』と言っていたので。それを初戦で見せられて良かった」

指揮官の戦術を少しずつ理解

　サッカー脳を鍛えることが、ゴールへの近道だと自覚している。ミシャサッカーを土台とする岩政監督のスタイルを深く理解するため、中島は日々の練習の中でトライ＆エラーを繰り返す。

　「俺はバカなので、基本的に毎回難しい。それでも面談では、ボードを使っていろいろ提示してくれて分かりやすかったし、これなら点を取れそうだと思いました。練習の中でも少しずつ形は見えてきている。守備の細かい部分を詰めたり、攻撃でもレーンを変えたり課題はいっぱい。思い切ってやりながら、焦らずしっかり覚えたい」

「無」で打った２点目を自画自賛　「点を取った奴が一番稼げる」

　迷いがあっては、結果が出ない。日々、思考力を高めながらも、ゴール前では無心になれる。この試合の２点目は、ペナルティーエリア左の角度のない位置から、体勢を崩しながらも右足で押し込んだ。

　「倒れながら反転して打ったシュートで、打つ瞬間に『外したらどうしよう？ 適当に打ったら入るでしょ？』とか、余計な考えがゼロだった。無の感覚があって、あれは良いシュートでした」

　ゴールへの嗅覚に思考力が加われば、大化けする可能性は十分にある。「（木戸）柊摩とアマ（バカヨコ）は２点ですか？ 僕は３点取ったので、ちょっとリードしてます。点を取った奴が一番稼げるので」。大型ストライカーの覚醒を、サポーターは待っている。