梅林優貴 同学年エース・伊藤大海と「ぜひ、組みたい」と熱望 出会いは大学時代!? 〝和解秘話〟も明かす
鎌ケ谷で自主トレ 新年の決意表明
日本ハム・梅林優貴捕手(26)が15日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレを行った。昨年7月に支配下復帰を果たし、勝負の年となる今シーズン。1997年度生まれの〝同級生会〟で仲を深めたエースと、2軍で専属捕手を務めていた高卒4年目右腕の女房役に名乗りを上げた。
鎌ケ谷の室内練習場で、梅林は山口と共に一心不乱にバットを振っていた。米国から取り寄せたピッチングマシンを使い「2時間も打っていました」と、気持ち良さそうに汗を拭った。
昨季は1軍出場3試合「来年は家族に還元したい」
プロ6年目を迎える今季に懸ける思いは強い。昨季は7月に支配下復帰を勝ち取ったが、1軍では出場3試合にとどまった。「みんなすっごい年俸が上がったじゃないですか。(地元の)広島に帰って、日本ハム良かったねと言われても僕は何もしていないので、恥ずかしい気持ちがあった。来年は家族に還元したいと思います」。
2人の妹がいるお兄ちゃん。プロ入り後は毎年「存在感を消さないために」と、妹たちにプレゼントを贈っている。「好きなもの買っていいよ、と。広島の商店街で僕は座って待っていて、買う物が決まったら支払いだけしに行く。今年は成人式で他にプレゼントもした分、お年玉が薄くなっちゃって」。かわいい妹たちに兄の威厳をもっと示したい。
2軍で組んだ達が「1人で上がって、5回ゼロに抑えて」
出場機会増へ、主力投手の心もガッツリつかみたいところ。昨季は2軍で、成長著しい達の女房役を任されていた。「シーズン終わりに、『達、頼むわ。おまえのバーターで(1軍に)上げてくれよ』と言っていたんですよ。なのに、1人で(1軍に)上がって、5回ゼロに抑えて」と苦笑い。後輩右腕は10月3日のロッテ戦で先発し、伏見とのバッテリーでプロ初勝利をマークした。
思惑通りにいかなかったが、米国自主トレから帰ってきた達から〝お土産〟をもらった。この日の練習終わり、ロッカーに戻ると「16より」とマジックで書かれた「Wrist Coach」というアイテムが置かれていた。作戦を書いたカードを収納できるリストバンドで「たぶん勉強しろということだと思います」とうれしそうだった。
日米大学野球選手権にブルペン捕手として…
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もう1人、バッテリーを組みたいと熱望する投手がいる。昨年11月に行われた同級生会で、〝和解〟を果たしたエースの伊藤だ。どこか気まずい関係だった2人の〝因縁〟は、梅林が大学4年だった2019年までさかのぼる。山口・岩国で行われた日米大学野球選手権に、ブルペン捕手として参加。大学日本代表の一員だった伊藤と対面していた。「大海の球をブルペンで捕っているんです。僕はなんとなく覚えていて」。
「僕の仲良い人を取られて気まずくて」
梅林が日本ハム入りした1年後、大学を編入した伊藤が入団。学生時代に接点があった2人だが、なかなか打ち解けられなかった。「お互いめっちゃ人見知りで。同級生ってめっちゃ難しいんですよ。アイツが先に片岡とか健矢とかと仲良くなって、僕の仲良い人を取られて気まずくて(笑)。大海とは何か話せなかった」。お互いに挨拶するタイミングを逃し、きごちない関係になった。
22年にはこんなこともあった。試合中、梅林はブルペンでお試しクローザーを務めた伊藤のボールを受けていた。「むちゃくちゃ気合入って。スライダーがギューンと曲がってミットに当たらず、(右)手に当たったんです。周りもえっ?となったんですけど、痛いと言えなくて。結局大丈夫だったんですけど、それが決定的に気まずくなって…」。会話はしても、深い関係にはなれなかった。
郡司が幹事の97年会でわだかまり解消
転機となったのが、郡司が幹事を務め、初めて開催された97年会。球団スタッフの片岡さんが2人を「気まずい」とイジって盛り上げ、最後はノリで握手を交わした。「次の日の納会でも席が前で、普通にしゃべれました。もう大丈夫です」。わだかまりは解消された。
伊藤とは過去、オープン戦でしかバッテリーを組んだことがないというが「ぜひ、組みたいですね。去年の配球のチャートとか見ていても、バランス良く、すごい意思を持って投げている」。春季キャンプでアピールし、エースとの距離をさらに縮める。