【一問一答】万波中正 今季目標はMVP 米国自主トレで打撃リニューアル
具体的な数字の目標は立てず
日本ハムの万波中正外野手(24)が16日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレを公開し、今季の目標としてリーグMVPを掲げた。昨季の苦い経験を引き合いに出し、本塁打などの数値目標は設定せず。名実ともにチームの顔となった主砲は、有言実行の働きで勝利を引き寄せる。取材に応じた一問一答は以下の通り。
―現在のコンディションは
「コンディションはまあまあ。体はとりあえず元気です。いろいろなことに挑戦しています。自主トレ、キャンプと経て形になっていけばいいかなという感じです」
―昨シーズン振り返って
「チームとしてはこの先、優勝を目指しています。その足掛かりとしてはすごくいい1年だったかな、というふうに思います。そういう中で1年間、離脱せず、やれたのはすごく良かった。ただ、望んでいる数字とは言えない結果。今年はもっといい結果を残したい、というのは当然あります」
―昨季、足りなかった部分、レベルアップしたい部分は
「足りないって言ったら全部足りないんですけど、特にオフはバッティングとフィジカルトレーニングをずっとやっていて。体に関しての課題もありますけど、技術的にはこの前、アメリカに行って、1週間みっちりいろんなことを教わってきました。いろんな課題が見つかったので、1個に絞って言えない」
―トレーニングで変化を加えた部分は
「やっているトレーニング自体の大枠は一緒なんですけど、シーズン中も常にトレーニング内容が変化していくような感じでやっているので。難しいですね。うまく説明できない。ウオーターバッグを、振り回したりしています」
―打撃練習で三角形の器具を使っていたが
「三角の面を(設置した)カメラの方になるべく長い時間向けて振る、というのが目的で。何をしたいかというと、手首を早く返しちゃうクセがありまして。バッティングのスイートスポットと言われる範囲があり、より長くバットの芯が通過できるように、という意図で練習しています。手首が早く返ってしまうと、バットの軌道が変わってきちゃうので。(芯で)当てる確率を限りなく上げたいので、ああいう練習をやっている。少しでもハンドファーストで」
―この練習法は今年から取り入れたのか
「本当に最近で。アメリカへ行ってから教わって、始めた感じです」
―シーズンを見据えて今後、トレーニングで具体的に詰めていく部分は
「体の使い方もそうですし、バッティングもそうですけど、ちっちゃい動作というか、オーバーな動作はなしにして、割れとかねじれをつくる。それは難しいですけど、取り組んでいることの大きいテーマでもあるので。最終的には、技術的な野球の練習とフィジカルトレーニングで、同じゴール、1個のゴールに向かって行ければいいかなと。シーズンが始まっても継続して、形にしたいと思います」
―今シーズンの目標は。チーム、個人で
「チームとしては当然、優勝が目標ですね。僕個人の目標となったらMVPを取りたいなというのがめっちゃあって。特にプロ野球は優勝チームから基本的にMVPが選ばれる。優勝して、個人的にはそこを取れたら最高かなと思っている。全試合出て、優勝してMVPを取るという。これが今年の三つの大きな目標かなと思います」
―目標達成へ、このオフは手応えを感じつつあるか
「自分次第じゃないかなとは思っています。まずは継続して試合に出るというのが大前提だと思うので、とにかく健康に気を付けたい」
―三角形のアイテムは野球の練習道具なのか
「いや、なんか、犬のフリスビーらしいです」
―アメリカのトレーニング施設で譲ってもらったのか
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
「いや、向こうで最初に渡されて使って、めっちゃいいなと思って。(商品が掲載されている)リンクを教えてもらったら、犬のフリスビーでした。(米国の指導者が)すごくウイットに富んでいて、ドリルみたいな提案をする人で。野球にとらわれず。なぜか、犬用のものが多かったんだよな…。(指導者が)愛犬家なのかな(笑)」
―アメリカに滞在していた期間は
「(1月の)6日から13日までですね。行ってきたのは最近なんですけど、年を越してからにしては、大きく変化したと思います。まだまだ時間が掛かると思う。とりあえずは、前のフォームでやっていく中で、僕の課題、何が優れてるか、一流バッターと違う点など、いろんな映像、写真とか見ながら説明をしてもらって。バッティングはフェーズがあると思うんですけど、テークバックしたり、振っていったり。(これまでと)同じ打ち方だったらどうしてもクリアできない場所が多いなと思ったので、変化をつけた感じですかね。ジェッシーぐらいしゃべっちゃった(笑)」
―アリゾナの施設では、メジャーの選手もいたのか
「いましたね。メジャーリーガーとかマイナーの選手とか、毎日いました。マット・チャップマン(ジァイアンツ)が練習していて、結構、上がりました」
―どんな施設だったのか
「オフラインでやっているようなところ。あまり発信とかしていなくて、誰かしらが知っていて、紹介してもらって行くみたいな感じ。そこにお邪魔して、いろんな練習をしました。数値は一切測っていなくて、本当に技術的なこと。数値ばかり見て、僕もやっていたんですけど、それによって起きる良くない動きもいっぱいあって。今回教わった人は、すごく体を振って出たいい数値より、いいメカニックだったり、いい動きというのをすごい大事にしている。だから、映像を常に横で撮って、ちょっと打っては見て。お互い、初めましてなので、いろいろ話し合って、最終日に近づくにつれて、良くなった感じ。大きく気になるところが四つぐらいあって、大変でした」
―トレーニングメニューも提示してもらったか
「きょう打っていたメニューがほとんどなんですけど、その中でいろんな意識をして。最終的にこれをやれとか、ないんですけど、1週間でいろいろ教わっていく中で、継続してやっていきたいなと。僕がピックアップしてやっている感じです。いろんなメニューを数多くやったわけではないんですけど、1個1個、奥が深いというか。形だけやっているだけでは良くなくて。以前に行ったドライブラインみたいに、ドリルの種類が多いとかではないんすけど、いろんなもの使って取り組む。現地に行った時はペンキのはけで、板をなぞるような練習法もありました。何がしたいか、というのは、レクチャーの部分でやって、大事なことは理解したので。あとは教わったことを中心に練習して、どれだけいい打ち方、いいメカニックに近づいていけるか」
―最新の設備が整っていたのか
「全然ですよ。(鎌ケ谷室内練習場の)ブルペンを4分割して、その1カ所で練習しているぐらいの感じです。本当にすごくいい時間でした。数値、数字ばかり追ってしまっている、最近のトレンドは実際、大事だとは思うんすけど、そこばかりに目が行きがちなところは自分もあったかなと思う。改めて大事なことを教えてもらった。当たり前ですけど、自分より小さかったり、細かったりする人が自分よりたくさんホームランを打ったりとか、ある話なので。そういうところにもちゃんと目を向けなきゃいけないなと思いつつも、数字(重視)になっていたところはあったと思う」
―このトレーニング施設や指導者には、どうたどり着いたのか
「知り合いづてに、という感じですね。(紹介してくれたのは)選手ではないです」
―去年と比較して打撃フォームが前傾になっているように見える
「前傾はあまり意識していなくて。地面にしっかりプレッシャーというか、圧を掛けることを大事にしていて。そういう練習の中でチューブで引っ張られながら、下に行くと、勝手にけつが後ろに入る。かかとをしっかり踏んで圧を掛けるときに自然と前傾が、今までよりは取れているのかな、という感じです」
―目標はMVPと。具体的な数字は出さずに総合的にレベルアップを
「もちろん、そうですけど、なえちゃうっすね。数字の目標。マジでなえるんですよ。(ペースが遅くなると)40本、絶対に無理やんと。マジでなえるので、それだけですね。本当は40本を打ちたいし、50本でも60本でも打ちたいんですけど。全試合出たいとか、そういうモチベーションだったら、多少悪くてもここを頑張ってとか、あると思うんですけど。ホームラン何十本とかって、残り毎日打たないと、という感じになってきたときに…。ある程度、ペースは限度があると思うので。去年、そうだったんですけど、前半で届かないのが見えてきちゃったときに、精神的にきつかったんですよね。かなりなえたので。そのギャップに自分自身が勝手に落ち込んだ感じがあったので。もちろん最終的に良い数字を出すことが目標ではありますけど、あまりそこというよりは、良い練習をして野球がうまくなって、毎日試合に出たら、数字はやっぱり改善されてくると思うので。そういう意図です」
―MVPという言葉は、アメリカでの練習で打撃に手応えがあるから出てきたのか
「行く前から思っていました。MVPは一番格好いいなとずっと思っていたので。あれ以上に名誉なことはないと思う。個人タイトルももちろん素晴らしいですし、絶対に取りたいですけど、MVPはタイトルを総なめにしているような人でも、1、2回、多くて3回。打撃タイトルを全部取っている近藤さん(ソフトバンク)ですら、去年が初めてだったというのは、それだけ難しいと思いますし、チームの勝ちが乗っかって、取れる賞というところでは、すごい価値がある。今年の目標を立てるときに、何が良いかなと。具体的に数字で大きい目標を立てると、離れたときに精神的に(つらくなる)、みたいなところがあったので。そういう目標の方が自分的には良いかなと」
―キャンプはどう過ごしたいか
「最近、バッティングの改善に取り組んでいるので、焦らずと言ったら変ですけど、とにかくそこに集中したいです。シーズンで打つことが大前提。それを念頭に置いて、ブレずにやりたいなというのはあります。キャンプの結果であまり左右されないようにと思っています。自分のやることに集中して、それ以外のことで気持ちが揺さぶられることがないようにと思っています」