星野ひので 昨季引退した江越大賀さんの〝心技体〟引き継ぐ 受け取った外野守備の助言とは
高卒2年目の成長株 鎌ケ谷で自主トレの日々
〝江越魂〟を継承する。高卒2年目を迎えた日本ハムの星野ひので外野手(19)が19日、千葉・鎌ケ谷で自主トレを行い、昨季限りで現役を引退した江越大賀さん(31)との交流を明かした。
プロ1年目の昨季、憧れのプレーヤーと共闘
昨季中、2軍で同じ外野手として多くの時間を共有した。星野にとって江越さんは、阪神時代からプレーを追っていた雲の上の人だった。
「まさかしゃべれて、同じところで練習して教えてもらえると思わなかったので、すごいありがたい環境でした」。一挙手一投足を見逃さぬよう、必死に背中を追う日々を過ごした。
基本の大切さを再認識
心技体、全てにおいて手本だった。技術面では特に守備について、貴重なアドバイスを授かった。
「フライを捕球する時に、『常に顔の横で捕球できるように』と。キャッチボールも、落下地点に入る時も、常に。グローブが(顔の近くから)離れると、その分、捕球のミスも多くなるので、『絶対、顔の横で捕るように』と。基本なんですけど、一流の選手はそういうところをおろそかにしないんだと気付かされました」。守備職人からの金言を、今も意識して練習に励んでいる。
理想的な肉体 「スーパーサイヤ人みたいな体」
引き締まった江越さんの体は、星野の理想だ。「僕が目指すべき体」と目標にしている。
「やっぱり、フィジカル面がすごい。もう、(ドラゴンボールの)スーパーサイヤ人みたいな体をしているので。足も速くて、パワーもあって。僕は全然、足りていないので、江越さんのトレーニングをこっそり見たりしていました。それを生かして、僕もああいう強じんな肉体を手に入れたいです」。少しでも近づけるよう、今オフは筋肉増量に励み、シーズン中に83キロだった体重を90キロに乗せた。
常に優しく声をかけてくれた大先輩
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江越さんの優しい心にも触れた。13学年先輩だが、壁をつくらず話しやすい雰囲気で接してくれた。
「年齢も僕より全然、上なんですけど、本当に気にかけていただきました。気軽にというか、いつも明るく声をかけてもらって、話しやすい感じにしていただいて、すごいありがたかったです。もちろん、僕のことをライバルだとも思っていなかったと思いますけど、同じ外野手にもかかわらず、『今のプレーは危ないから、もっと丁寧にやれ』とか、たくさん教わって感謝しかないです」
胸に刻んだ熱きエール
引退を知った際には「1年間、短かったですけど、ありがとうございました」と連絡。「本当に真面目に頑張れ」とエールを返され、「本当にお世話になりました。頑張りたいなと思います」と恩返しの活躍を誓った。
プロの壁にぶち当たった1年目シーズン
ルーキーイヤーだった昨季は、2軍で32試合に出場し、打率.122。プロのレベルの高さに打ちのめされた。
「焦りもあったし、自分のパフォーマンスが出せないとすごく感じました。体にはある程度、自信があったんですけど、プロに入ってみたら全然ダメだった。体で負けていたら全然、勝負にならないと思うので、勝負できる体を1年間またつくりながら、技術を上げていこうと思っています」と一歩ずつ前に進んでいく覚悟だ。
伸び盛りの19歳 「種をまく一年になったら」
今季の目標は「種をまくこと」。「種をまく一年になったら良いなと思う。うまくいかないことの方が多いと思うんですけど、腐らずに来年、再来年の活躍もイメージしながら頑張りたいです。一日でも早く1軍に行けるように頑張ります」と、飛躍の足がかりを築く1年にするつもりだ。
待ってろエスコン! 江越さんの教えを無駄にはしない
伏線回収が醍醐味(だいごみ)の大人気漫画「進撃の巨人」のファン。「全部、面白いですけど、伏線がすごい張られているのを調べながら見たりして、これってこういうことだったのか、ってなるのが、すごい面白いです」
江越さんとの出会いはまさに、ブレークの伏線。近い将来、エスコンフィールドで花を咲かせ、きれいに〝回収〟してみせる。