U-15W杯初Vの146キロ道産子右腕・林将輝が大阪学院大高に合格
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大阪府予選で大阪桐蔭、履正社破った注目校
昨年8月にコロンビアで行われた15歳以下のワールドカップで初の世界一に輝いた、侍ジャパンU-15日本代表で最速146キロを誇る林将輝投手(新ひだか町静内第三中3年)が13日、大阪学院大学高に推薦で合格した。昨春、近畿地区大会大阪府予選で、大阪桐蔭や履正社を撃破して初優勝するなど、近年めざましく成長。激戦区で自らの実力を伸ばし、在学中の160キロ達成と、高卒プロ入りを目指す。
静内の自宅から日高シニアの浦河町まで週4で通い
馬産地・静内から、将来有望な新星が大阪へ巣立つ。3年間、自宅から日高シニアの本拠地・浦河町まで週に4度、片道40分の送迎をしてくれた両親に感謝しつつ「1年からしっかり背番号もらって甲子園に行く。2年生はエースを獲るくらいの気持ちで、3年間とも甲子園に行く。球速は、まだまだ伸ばしていきたい。3年間で160キロ。Uー18もだし、プロになってジャパンにも選ばれたい」。右腕の脳裏には未来予想図が、はっきりと描かれている。
父・誠さんは駒大苫小牧で内野手だった
駒大苫小牧で内野手だった誠さん(43)を父に持つ7人きょうだいの末っ子。父の影響で年長からボールを握った林が注目を浴びる存在になったのは、23年7月の「日本リトルシニア日本選手権」。明治神宮球場で135キロをマークすると、8月にエスコンフィールド北海道で行われた日本ハム主催の「FIGHTERS BASEBALL CHAMPIONSHIP U-15」で自己最速を更新する139キロをマーク。その大会は動画配信され、全国の高校指導者の目にとまった。
甲子園優勝経験のある道内外の6校など、10校以上の高校から声が掛かったが、迷いはなかった。「自分は体が小さい。食の面が良く、環境もズバ抜けて良かった」と決め手を説明する。同校は往年の名投手・江夏豊氏を生み、1996年のセンバツ甲子園で初出場8強入りしたことのある古豪。23年春に辻盛英一監督(48)が就任すると、24年春に履正社、大阪桐蔭を次々に撃破。昨秋のドラフトでは、今坂幸暉内野手(18)が、地元オリックスに育成ドラフト1位で指名を受け、10年ぶりにプロ野球選手が誕生するなど、急激に評価が高まっている。
激戦区を選んだ理由「レベルの高い野球をしたい」
あえて激戦区を選んだのには理由があった。「大阪桐蔭を倒したいのもあったし、レベルの高い野球をしたかった。自分の力を試したいのもある」。進路を絞った昨夏以降、母に頼んで3食の他に補食用おにぎりを作ってもらい、体づくりに励んでいる。さらに共に世界で戦った日本代表の主力に同地区の強豪に進学する予定の選手がおり、今度は甲子園出場を争うライバルとして対戦する機会を待ち望む。