昨秋全道8強の釧路江南は21世紀枠の選出ならず 夏の頂点を獲りにいく
三度目の正直ならず夏へ照準
選抜高校野球の出場校を決める選考委員会が24日に開催され、一般選考30校と21世紀枠2校の計32校が発表された。3度目の21世紀枠候補となった釧路江南は選出されなかった。甲子園を身近に感じながら、鍛錬を重ねた1カ月間を無駄にするわけにはいかない。夏は頂点まで勝ち抜いて、今度こそ聖地への切符をつかむ。
どこかで覚悟も
野球部員18人、マネージャー4人の全員が同校に揃って、午後3時30分から始まった選考委員会のライブ中継を見守った。最初に21世紀枠2校が読み上げられたが、釧路江南の名が呼ばれることはなかった。当然、甲子園行きを望んでいたが、部員たちからはどこか覚悟もできている表情が見て取れた。
宍戸瑛太主将(3年)は、発表終了後に部員の前で「今は悔しいかもしれないですけど、この1カ月間、21世紀枠を楽しみに練習してきたことは変わりない。大きな経験としてつながるものだと思うから、しっかり全員でもっと意識を高く持って、夏に北海道の頂点を取れるようなチームになるために、しっかり厳しくやっていきましょう」とキッパリ。視線はすぐに夏へと切り替わっていた。
〝白い土〟の上で工夫を重ね、練習の質は向上
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昨秋の全道大会準々決勝では準優勝の北海相手に0-1で惜敗したが、先月には21世紀枠候補校に選出された。手の届きそうな位置に、甲子園を感じながら過ごした1カ月間は何にも変えがたい経験となった。課題の打撃力を磨くため、氷の上に積もる雪から作る「白い土」のグラウンドで打撃練習を繰り返した。ただ打つだけではなく、他の部員が打撃ケージ後方から打者を観察し、助言を送り合うなど、練習の質は向上した。
さらにフィジカル強化し夏につなげる
昨秋の神宮大会を視察。痛感した全国強豪校とのフィジカル面の差を埋めるため、ウエートトレーニングの量も増やした。身長や体重、短距離走のスピードなどはきっちりと数値化。楓川卓也監督(50)は「本当にこの1カ月の数値で結構、伸びていた。みんな筋力の方は頑張ってやっていた」と一定の手応えを感じている。球春の訪れまではまだ時間もあるため、「まだまだ夏に向けてというところ」と、さらなる強化を施していく。
貴重な経験は次に生きる
「甲子園を身近に感じたような空気感っていうのは、北海道では自分たちしか味わっていないので、この経験を生かして、絶対に夏に北海道の頂点を取って、甲子園に行くという思いが強いです」と宍戸主将。この1カ月で、聖地の輪郭は確実に見えた。残り半年で、その輪郭に手を伸ばしにいく。