東海大札幌高が10年ぶり7度目のセンバツ切符 昨年秋に就任の遠藤監督「タテジマのプライドを持って」
現校名となってからは春夏通じて初
3月18日に阪神甲子園球場で開幕する選抜高校野球の出場校が1月24日に発表され、昨秋の全道大会を制した札幌支部の東海大札幌高が10年ぶり7度目の出場を決めた。2016年春に現校名となってからは春夏通じて初の聖地。神奈川の東海大相模高出身で、昨秋にコーチから指揮官に就任した遠藤愛義監督(40)にとっては甲子園初陣となる。東海大系列校では唯一の出場となるだけに〝東海プライド〟を前面に押し出し、北海道勢初のセンバツ優勝を目指す。
指揮官は闘志表す〝赤〟で発表待つ
10年前の決勝戦で甲子園に置き忘れた日本一の称号を奪いに行く。指揮官は心の中でメラメラと燃える闘志を表す〝赤〟を基調としたネクタイを締め、同校の講堂で発表を見守った。「赤は僕自身のカラーでもありますし、戦うために必要な色。ずっと僕はグラウンドでも赤をまとうようにしてる。僕は札幌校で3校目。それぞれの監督さんからいろいろ学んできょうを迎えられて、この期間、いろいろと考えさせられた。東海のタテジマのプライド持っていきたい」。
翌25日には都内で行われる東海大創立60周年祝賀会に出席し、元巨人監督の原辰徳氏(66)ら、200人以上の関係者に報告する。
東海大相模に近いユニホームに変更
校名変更後初の聖地。新たな〝戦闘服〟で聖地に乗り込む。現在のユニホームは水色をベースに、東海大系列共通の縦のストライプが入っているが、ベースの色は少し濃くなり、ストライプの幅も今より少し狭まる。指揮官の出身校である東海大相模に近づくが「相模ほど濃くはないです。独断と偏見です」と笑い飛ばした。
「言わない人間にはかなわない」 信じる言葉の力
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言霊を信じている。出場決定後、ダブル主将の一人、山口聖夏遊撃手(2年)は「夏の日本一を絶対に獲りに行く気持ちで、夏につなげる通過点の気持ちで、春の日本一を獲りたい。自分たちのモットーである勝利への執念を甲子園でも存分に発揮して、日本一を獲ってきます」と、〝日本一〟という言葉を何度も重ねた。
遠藤監督も「東海大学付属で唯一の出場であり、北海道代表として日本一を必ず獲って帰ってきたい」と繰り返した。「有言実行だと僕は思っている。言葉は力に変わるので、言わない人間にそれはかなわないというのは子供たちにも話をしている。僕も使うようにはします。基本的にはもう、どんどん言いなさい」と指導している。
レギュラーは3選手のみ確定
メンバー選考は、これから本格化する。秋の全道でベンチ入りした20人の中で、「この3人は特にチームの中心選手」と名指しで確定しているのが、エース右腕・高橋英汰(2年)、明治神宮大会でエース格の活躍を示した左腕・矢吹太寛(2年)と山口主将。「彼らには期待する分、もっと成長してもらわなきゃ困る。あとのところは、横一線」。2月に計画している道外遠征で、ふるいにかけられる。
最速150キロを目指すエース高橋
ベンチ入り確定の3人に入った高橋は、エースナンバー死守を誓う。秋は最速143キロ。明治神宮大会では2回戦の広島商業戦に先発も5回3失点(自責2)。逆に七回から3番手で登板した矢吹が3回無失点と好投。「納得いかなかったピッチングだったので、とても悔しいです」と高橋。冬は瞬発力系トレとウエートトレで体重は秋から7キロ増で人生最高の77キロとなった。
「150キロをもう目標にして、とにかく球速を上げられるようにしています。計っていないので150キロに届いてるかは分からないけど、変わったなって実感している」。早く外で投げたいと、右腕はうずいている。
中学で全国3位となった同期との再会
かつての球友と、甲子園での再会が決まった。高橋や鈴木賢有捕手(2年)ら札幌新琴似シニアOBの2年生6人は、中学3年夏にリトルシニア日本選手権とジャイアンツカップで全国3位に輝いた。その時の同期で、センバツ2連覇を狙う健大高崎(群馬)、青森山田、山梨学院にそれぞれ合計5人のチームメートが在籍する。出場校発表前には、健大高崎の加藤大成主将(2年)、山田遼太投手(2年)と「甲子園で会えたらいいね」と約束を交わしていた高橋は「早くやりたいです」。抽選は3月7日。今度は互いにライバルとして、聖地で対峙する。