レジェンド葛西がW杯札幌大会2年連続出場へ ギネス更新の8年ぶり世界選手権も視野【ジャンプSTV杯】
■ノルディックスキー・ジャンプ男子コンチネンタル杯(1月26日、札幌・大倉山ジャンプ競技場、ヒルサイズ137メートル)
▽個人第10戦(STV杯)
▽個人第11戦
STV杯を兼ねたコンチネンタル杯の個人第10戦と、続けて行われた同第11戦で、52歳のレジェンド・葛西紀明(土屋ホーム)が2試合とも19位に入り、2月15日からの2連戦となるW杯札幌大会の開催国枠獲得を確実にした。札幌大会でポイントを獲得すれば、同26日にノルウェー・トロンハイムで開幕する世界選手権出場の可能性が高まる。また、佐藤幸椰(29、雪印メグミルク)が第11戦で日本勢最高位の2位に入り、規定により自力でのW杯出場権を引き寄せ、日本勢のW杯札幌大会出場枠を合計9から10に増やした。出場メンバーは、近日中に正式に発表される。
2試合目2回目に133.5メートル
レジェンドが今季初のW杯出場権をたぐり寄せた。この日2試合目の2回目には、133.5メートルのビッグフライトでハードスケジュールを締めくくったが、満足はしなかった。「もうちょっと飛びたかったですね。この2本は風は当たったけど、ジャンプが良くなかった。ちょっと集中力が続かなかったかもしれない。まだまだ課題はあるけど、そこを直せば、また次の週の試合、そしてワールドカップにつながっていくんじゃないか。ワールドカップまでに修正して、良いジャンプをつくっていきたい」。予選を突破して本戦に進めば、自身の持つW杯最年長出場記録を再び更新する。
前半戦の遠征では状態が上がらず 「若い頃はこんなに…」
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ホームの利点を最大限に活用する。今季前半戦はコンチネンタル杯の海外遠征組としてアジアや欧州を転戦。昨年12月のフィンランド・ルカ大会では10位に入った。「なかなか移動が大変で。若い頃はこんなに疲れなかったんだけどなって。年を感じた。長い飛行機の中で、背中や腰がちょっと張ってきて、ケアする時間もなかった。自分の良いコンディションをつくることができなかった。日本に帰ってきてしばらくは滞在できる。しっかり体をケアして良いジャンプをつくって、 次に向けて頑張りたい」。毎日のジョギングでコンデョションを整え、国内大会で調子を上げていく。
W杯でポイント獲得できれば
8年ぶりにギネス更新となる史上最多14度目の世界選手権は見えている。今季、ここまでW杯ポイントを獲得している日本勢は、二階堂蓮(23、日本ビール)ら5人。1試合ごとに優勝の100点から30位の1点まで順位に応じて点数が与えられるが、4番手の佐藤慧一(27、雪印メグミルク)が3点、5番手の小林朔太郎(24、雪印メグミルク)は2点と射程圏内。今季の葛西はまだノーポイントだが、札幌大会の2試合で十分に逆転のチャンスは残されている。
「日本の中でのトップ10には入るかなと思うけど、世界選手権に選ばれるとなると、ちょっと厳しい。(佐藤)幸椰ぐらいのコンスタントな調子を出さないとダメ。まずはW杯までに、しっかりつくらないと。風に頼ってるようじゃダメですね」。五輪プレシーズンでしっかりと結果を残せば、2大会ぶり9度目のミラノ・コルティナ五輪だって、夢物語ではなくなってくる。
■第11戦で2位に入り、2季ぶりのW杯出場を確実にした佐藤幸椰(29、雪印メグミルク)
「春から2月の札幌のW杯へピークを持っていかなければと、最後のチャンスを掴むためにそこしかないって考えて監督、コーチとやってきました。ここまでは自分の想像以上にうまく来られていますので、体調面含めてもっと最後まで気を抜くことなく、引退するわけじゃないですけど、悔いのないようにやりきりたい」