松浦慶斗 自主トレ費用負担してくれた河野竜生と3つの約束「ケガしない」「トレーナーへの恩返し」あと一つは…
タイトルホルダーとの貴重な11日間
日本ハムの高卒4年目左腕・松浦慶斗投手(21)が1月5日から25日まで、チームメートの河野竜生投手(26)とマンツーマンで合同自主トレを行った。26日は鎌ケ谷で体を動かし、タイトルホルダーとの貴重な11日間を振り返った。
先輩が組んだ練習メニューに、必死で食らいついた。岡山にある河野夫人の実家内につくられたジムで、何にも代えがたい充実の日々を過ごした。
朝はピラティスからスタート
「練習も食事も、全て河野さんが段取りしてくれた。最初はめちゃくちゃきつくて、これいけるかな、と思っていたんですけど、内容がしっかりしているので、一日が終わるのも早い。朝から晩まで練習していてもすぐ終わる。(午前)6時半ぐらいに起きて、7時に(ホテルを)出て、8時ぐらいにピラティスからスタート。終わるのが(午後)4時半とか5時半でした。長い時間やっているんですけど、ムダな時間はなかったと思います」
昨季、最優秀中継ぎのタイトルを獲得した左腕のトレーニングを体感し、トップレベルの〝基準〟を理解した。「一緒に練習して気づいたのは、一流の選手ほど練習量がすごく多いなということ。ランニング、ウエートも一つ一つの質が高く、量が多い。(プロ)1、2年目、自分なりには結構(練習を)やっていたと思うんですけど、今のままでは(河野ら1軍の選手たちを)抜けないなと。そういう発見があったので、すごく良かったと思います」。1軍定着を目指す21歳にとって、大きな収穫だった。
師匠からくらった「それじゃダメだよ」
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メンタル面でも、師匠の言葉が心に響いた。河野と食事中、会話の中で「今年、先発するので何勝かしたいです。でも2軍で先発して良かったら(1軍では)中継ぎで上がったり、ロング(リリーフ)だと思います。しっかり投げられるところでチャンスをもらってやっていきたいです」と何気なく伝えたときだ。返ってきたのは『それじゃダメだよ』という指摘だった。
「『もう(高卒)4年目。去年も1軍を経験して、(先発)ローテーションを取ることが大事。先発で(1軍に)上がって来ないと、(先発を)やっている意味がない』と言われました」。最初から現実的なプランを考えるのではなく、高い理想を持て―。松浦のポテンシャルを知る先輩からの、これ以上ない激励の言葉だった。
「自分の結果で恩返ししたい」
自主トレ期間中の食事、ホテル、レンタカーなどの費用は全て、河野に負担してもらった。「僕は本当に環境のいいところで、ただで練習をさせてもらっている感じでした。すごく感謝しています。河野さんに、自分の結果で恩返しをしたいと思います」と力を込める。
恩返しの意味も込めて、先輩と〝3つの約束〟を交わした。「一つは、ケガなく1年間やること。二つ目は、サポートしてくれたトレーナーさんたちにしっかり恩返しできるような結果を残すこと。最後は『5勝』と、河野さんに言われました」。
約束を全て守って飛躍の年に
春季キャンプは2軍スタートだが、「2軍でもやるべきことをやって、しっかり開幕1軍を目指してやっていきたい。今年が大事な年。今年結果を出して、来年、大卒で入ってくる(同学年の)人に差をつけたいと思います」と意気込んだ。河野との約束を全て守り、飛躍の年にしてみせる。