沖縄・名護での先乗り合同自主トレでブルペン入りした北山を取材した。オフの取り組みについて語ってもらった後、中日からＦＡで加入した福谷と〝教授〟の愛称が、かぶっていることを聞いてみた。

　すると予想外の答えが返ってきた。「それを書いてほしいんですよ！　僕は卒業させていただきます」。まさかの卒業宣言には、北山なりの考えがあった。入団時から〝教授〟のニックネームで親しまれ、もちろん愛着はある。「僕の中でもファンの方々に覚えてもらいたいとか、なじみよくしたいなと思って、ありがたく受け入れていた。次は北山亘基（こうき）として独り立ちじゃないですけど…」

　これまで知識を増やし、さまざまなトレーニングに取り組んできた。方向性が定まってきたこともあり、このオフのテーマは「感覚をどれだけ深掘って、研ぎ澄ますか」に設定。「自分の取り組みとしても〝教授〟は卒業ということで。今まで蓄えた知識もありきなんですけど、より感覚重視で。愛称も福谷さんが先輩なのでお譲りします。下の名前で亘基と呼んでください」と熱望した。

　「僕の下の名前は亘基って言うんですけど」という丁寧なフリから始まる、お立ち台でのお決まりフレーズもいったん封印する。「もう１個、次のレベルを考えた時に、最亘基（さいこうき）は優勝した時だけ言おうかなって。次、言うのは優勝した時です」。きょうは優勝できて、最亘基です！の絶叫を楽しみにしています。