大海 NPBアワーズ・パ新人特別賞受賞
来季はタイトル獲得だ! 今季のプロ野球のタイトル獲得者らを表彰するNPBアワーズが15日に行われ、1年目を終えた日本ハムの伊藤大海投手(24)がパ・リーグ新人特別賞に選出された。さらなる活躍が期待される2年目の来シーズン。先発投手タイトルを独占したオリックス・山本由伸投手(23)、新人王を譲った同・宮城大弥投手(20)の2枚看板に投げ勝ち、チームを押し上げる。
投手4冠+MVPオリ・由伸、新人王宮城から刺激
目標に掲げていた新人王獲得はかなわなかったが、それに値するインパクトを残した。鹿部町出身の伊藤が、パ・リーグ新人特別賞を受賞。壇上で記念のプレートを受け取り、来季に向けて決意を新たにした。
「苦しい期間もありましたけど、最後に10勝を挙げて何とか賞を受け取ることができた。うれしく思っていますし、より一層、来年に向けて気合も入ってきました」
リーグ5位に終わったチームにあって、道産子右腕は希望の星だった。開幕から先発ローテーションを担い、10勝9敗、防御率2・90と好成績を残し、東京五輪では侍ジャパンの一員として金メダル獲得に貢献。「自分で考えて取り組んだ成果が形になっていくことが新鮮で楽しいなと感じていた」と手応えを得た。
それでも、伊藤は満足していない。自己評価は「75点」。新人王を争ったライバルから大きな刺激を受けた。「今年、誰が見ても宮城くんはすごい投球をしていた。チームも1位を争っていて、緊迫した場面での登板が多かった」と脱帽。「来年はチームとしても食らいついて、投げられるようにしたい」と意気込んだ。
タイトルホルダーたちが集う表彰式に出席し、個人タイトル獲得への思いは強くなった。今季は防御率でリーグ4位。奪三振数はNPB新人記録の初登板から23イニング連続を記録するなど、計141個を数え、同3位につけた。
タイトル獲得のためには、今季リーグ優勝の原動力となり、最優秀選手賞に輝いたオリックス・山本の牙城を崩したいところだ。1学年下の右腕とは、侍ジャパンでともにプレー。「圧倒的な数字だったと思う。来年以降、少しでもいい方にいい方に、一日一日を大事にして取り組んだ結果、タイトルを獲れるよう頑張っていきたい」と表情を引き締めた。
23年新球場「開幕投手絶対取りたい」
2年目のジンクスも打破していく。来季の抱負を問われると、伊藤は力強く言い切った。
「チーム内で一番勝ち星を挙げること。2023年にエスコンフィールドの開幕投手を絶対に勝ち取りたい気持ちがあるので、1年間通してアピールしつづける気持ちを持っていきたい」
23年春開業予定である新球場の幕開けに立ち会うためには、来季の活躍が必要。伊藤大海なら、有言実行してくれそうだ。(中田愛沙美)
立野 イースタン優秀選手賞受賞
2軍は卒業だ。社会人出身2年目右腕の立野がイースタン・リーグの優秀選手賞を受賞した。11試合に登板し、2勝4敗、防御率3・11。表彰の後、オンライン取材に応じ「評価していただけたということは、とてもうれしい。来年のモチベーションにもなりますし、もっと頑張らないといけない」と決意を込めた。
ブレークのきっかけをつかむ1年だった。6月に1軍初先発を果たし、間隔を空けながらコンスタントに登板。威力のある直球を武器に4勝を挙げた。
来季の目標は、先発ローテ定着と規定投球回のクリア。1軍では同学年の山本(オリックス)がパの先発タイトルを独占し「素直にすごいですよね。でも、そういう相手に勝っていかないといけない。『すごい』ばっかり言っていられない」と対抗心を燃やしていた。