山口アタル 大抜てきの1軍キャンプを戦い抜く原動力は 「大事なことは…」
全体練習終了後、コーチ指示の特打を行う山口=撮影・桜田史宏
日本ハムが誇る〝フィジカルモンスター〟が1軍始動
日本ハムの山口アタル外野手(25)が、1日からスタートした沖縄・名護での1軍キャンプに参加した。
プロ3年目で初の抜てきを受けた〝フィジカルモンスター〟が、南国を舞台に猛アピールを繰り広げ、支配下登録、そして1軍定着への足がかりを築き上げる。
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情熱的かつ冷静に 長丁場も見据えるホープ
育成契約ながら、新庄剛志監督(53)ら首脳陣からの期待を受けた。もちろん自身も意気に感じており、「毎日、自分の100%を出すしかない」と高いモチベーションを持ってキャンプに臨んでいる。
練習後には「ものすごくテンションが上がっている」と口にする一方、「雰囲気にとらわれずに、ちょっと気持ちを抑えてやっていきたい」。情熱と冷静さのバランスをうまく計りながら、今月26日まで続くキャンプの日々を駆け抜けようとしている。
逆風の中でも持ち前の打力を披露
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この日の名護市内は3月中旬並みの最高気温21.3度を記録したものの、常に強い風が吹き、時折、雨にも見舞われた。午後に行われたフリーバッティングでは、風の影響もあって柵越えこそなかったものの、右中間深くまで運ぶ鋭い打球を何度も披露した。
「今はホームランは狙っていなくて、ちゃんと自分の振りができればいいと思っていて。きょうは結構、自分のプレーができていた感じがしました」と、手応えを感じることができた初日のトレーニングとなった。
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緊張を推進力に 「僕自身ではいいことだと思う」
重圧を自らの力へと変えていく。過去に紅白戦への出場を経験しているものの、本格的な1軍帯同はプロ入り後初だ。
一層の緊張感を感じている状況ではあるが「それは僕自身ではいいことだと思う。大事なことは緊張することだと思っているし、その緊張感をどう生かすのかがものすごい大事」。緊張を払拭することに躍起にならず、正面から受け入れた上で、前進するためのエネルギーとしていく。
苦境を乗り越えて迎えた3年目 いざ本領発揮のシーズンに
球場入り直前に受けた取材で、キャンプ初日の心境をことわざに例えた。チョイスしたのは「石の上にも三年」。ルーキーイヤーに左膝前十字靱帯(じんたい)を損傷。1年近く実戦から遠ざかるなど幾多の辛苦を味わってきた。そしてプロ3年目のキャンプインを迎えた。
「けがなく、最後まで自分のパフォーマンスを出していくキャンプにしたい」。大輪の花を咲かすべく、挑戦の日々が幕を開けた。
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