女子野球界日本最速の133キロ右腕 札幌の中学生・浅水梨来が全国2連覇中の神戸弘陵に合格
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小学生時代にファイターズジュニア選出
中学硬式・札幌西リトルシニアの浅水梨来(りら)投手(札幌星置中3年)が、全国高校女子硬式野球選手権2連覇中の神戸弘陵に合格した。少年野球の星置レッドソックス時代にファイターズジュニアにも選ばれ、昨夏には非公式ながら女子野球国内最速の133キロをマークした将来の有望株。高校では全国制覇はもちろん、2026年夏に創設される米国女子プロ野球リーグ(WPBL)への参戦を夢見る。
小学6年時、甲子園で神戸弘陵の優勝投手になった島野愛友利(20、巨人)の姿に憧れ続け、3年間一切揺らぐことはなかった。中学2年時から練習に参加。「ずっと行きたいと思っていたところに、自分が声をかけてもらえて、うれしいのはもちろんなんですけど、その分、残り2カ月でレベルアップして、入部した時にはAチームのレギュラーで出られるような選手になりたい。自分も島野さんのような選手になって、甲子園でチームを優勝に導けるようになって、高校卒業後は巨人の女子チームに入って、そこからマドンナジャパンに選ばれたい。もう少しすれば女子のメジャーリーグができると聞いたので、女子のメジャーリーガーとしてやりたい」。15歳の脳内には、すでにはっきりとした未来予想図が描かれている。
週末の全体練習以外に自主練、走り込みも
札幌西シニアでは、ひとつ上の先輩に女子選手がいたが、浅水の代は1人。男子との身体能力の差を、懸命な努力で補った。週末の全体練習の他に、平日3回3時間の自主練と、5キロから10キロの走り込み。さらに「夜ご飯は結構がっつり食べた。じゃないと体重が増えないし、体づくりもちゃんとできない。全ては野球のために。自分たちの代の誰よりも練習している自信があった」。2年秋の新チームからエースナンバーを背負った。
中1時代の110キロ程度から急成長
1年時に110キロ程度だった最速は、昨夏、日本の女子野球界で初の130超えをマークするまで成長を遂げた。「自分は将来的には世界一の選手になりたいので、まずは日本で初の130キロという、初めての選手になりたいと思い、自主練習でもピッチャートレーニングに取り組んで、やっと出せた」。高校では公式戦で初の大台超えを目指す。
浅水の成長を間近見てきた札幌西シニアの田辺翼監督(40)は、入団時から能力の高さを感じていた。「男女関係なく普通のレベルがもうできていた。まず投げる力がある。ちゃんとボールを叩ける。投げるのが心配なければ、後は力がついてきて、という感じかな」と振り返る。チームから初めて道外の強豪に進学する教え子に「今一番頑張って、シーズン終わってから伸びている。できるようになった動きが増えている。野球が好きで、うまくなりたい一心で練習し、ずっと取り組んでいるのが一番強いと思う。それは頑張ってほしい」と目を細めた。