【一問一答】伊藤大海 キャンプ初ブルペン 新球キックチェンジをおかわり試投
日本ハムの伊藤大海投手(27)が2日、1軍キャンプ地の沖縄・名護でブルペン入りし、27球を投げた。このオフから試し、習得を目指している新球「キックチェンジ」もチェック。昨季の最多勝右腕は、登板が決まっている4月1日の本拠地開幕戦に向けて、静かに動き出した。取材に応じた一問一答と、受けた進藤勇也捕手(22)のコメントは以下の通り。
―キャンプが始まった今の心境は
「いよいよ始まるぞ、という気持ちになりますし、すごくいいスタートをチームも僕自身も切れたので、けがをしないで1カ月やっていきたい」
―キャンプ初のブルペン入り。何を確認したか
「ブルペン自体、そんなに数多く入っていないので、傾斜の確認と現段階の球の強さだったり、自分の感じる部分を受け止めて。今後のスケジュールの組み方を決めていく上で、判断できるようなブルペンだったかなと思います」
―投球の感触は
「真っすぐもストライクが入っていましたし、強さも(今年)3回目のブルペンとしては申し分ないかなと思うので、あとはここから細かいコントロールや変化球を詰めていけたらなと思います」
―このオフから取り組むキックチェンジを投げていたが
「きょうは4、5球投げて1球だけでしたね。これはいい、これだったら使えそうかな、というのは」
―途中から左打者を立たせて投げていたが、その意図は
「ちょっと抜け傾向があるので、右バッターはちょっと怖いかなと。まずは左バッターにしっかり投げられるようになって、そこから両方のバッターに投げられたら、理想かなと」
―キックチェンジは、落ちる球だと思うが、伸びを確認していた
「思い切り回転をかける球ではない。シームシフト(縫い目の影響)を使いながら落とすボール。それがちょっと傾くと伸びてしまうので。落ちるように落ちるようにと調整は常にしていかないと。ラプソードで測ってもいいんですけど、まずは自分の感覚を持ってからラプソードに頼りたいなと。自分の感覚と捕ってもらっている感想を照らし合わせていきたい」
―キャンプ全体のテーマは
「けがをしない、というところと、ある程度ボリュームを出せる時期ではあるので。練習のボリュームを確保しながら、自分のリズム、ペースでしっかり調整していけたらなと思います」
―2024年はタイトルを獲得。自身の立場、役割をどう考えるか
「去年、タイトルを取った、取っていないは関係なしに、年齢的にも真ん中に立ってやっていかないといけない立場だと思いますし、下の子が多くなってきたタイミングでもあるので、そこは引っ張っていけるような、そんな存在でありたいと思います」
―今シーズンの意気込みを
「まずはいいキャンプを過ごして、3月、4月といいスタートを切れるように。そんな準備期間にしたい。登板自体は決まっていますけど、その先は決まっていないと思いますので、しっかり準備していい開幕にできたらなと思います」
―キックチェンジは伸びない方がいいという考え方か
「そうですね。落ちれば落ちるだけいいです」
―ブルペンで22球を投げた後、プラスでキックチェンジを5球を投げたが、その意図は
「出力を落とした方が再現性が高まるので。キックチェンジに関しては。それでいろいろ試しながら」
―受けた進藤からはどんな言葉があったか
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「1球、すごく良かったと聞きましたけど、まだどっちに来るか分からないです、と言っていたので、確かにそうだなと」
―理想の球速帯は
「僕の場合は、130~35キロが普通のチェンジアップ、35キロから上がキックチェンジ、それより上がスプリット、というように段階分けできたらなと思います」
―良かったキックチェンジはどんな変化だったか
「1球だけ、やたら落ちたんですよね。僕の見た感じですけど、回転が3時方向に動いていて、ワンシームの軌道で入っていたので、それは落ちるよなと。まだ、ツーシームで入っていく時、ワンシームで入っていく時、それがぐにゃぐにゃしている時があって。やっぱりワンシームのシームシフトを使えた方が、安定感はあると思います」
―出力を下げた方が再現性があると。その理由は
「何でもそうだと思うんですけど、ゆっくり動かした方が、やりたい動きは出せる。ボール自体の精度はもちろん良くないんですけど、スピードが落ちるので。ただ、スピードを落としてゆっくりの動きで考えながらやった方が、再現はしやすい。例えば、回転もそうで、3時方向なのか、2時方向なのか、自分の目で見て取れるので。遊び感覚みたいな、そんなイメージですけど」
―進藤が捕りづらい、あまり見たことがないと。打者目線でも打ちづらいボールになりそうか
「横から投げるピッチャーがあの軌道のシームになるのはたぶん、見たことがあると思う。上から投げるピッチャーであの手のシームの感じ、動きはなかなか見慣れないと思う。ちゃんとボールが見えているバッターには面白いかもしれないですね」
―ラプソードはまだ使わないか
「次もいらないかなと。最後の方に答え合わせのような感じで使えたらなと思うので。今年に入ってから1度、使いましたけど、何となく自分の感覚とラプソードの数値は合っているので。自分の感覚を信じたい」
―データ過多にならないように
「それ(数値)を追いすぎてしまうことが、落とし穴だと思うので。自分の頭の中でラプソード的なことができない状態でラプソードに頼ってしまうと、基礎がないというか。戻れるところで、自分の感覚を大事にして、すり合わせる道具として使うのは非常にありかなと思います」
―先乗り自主トレでは登板日から逆算して火曜日にブルペン入りしていたが、今回は日曜日
「いや、ちょっと予定変更がありまして(笑)」
―試合前、少し間隔を空けたいというイメージも
「登板の投げ初めのイメージを持って日曜日にしました」
―キックチェンジは開幕に合わせて、ものにできそうか
「できるとは思うんですけど、この2月ではそれを判断しきれない。オープン戦に入ってどんどん出力が上がってきて、どこまで自分も使っていけるか、キャッチャーもサインを出していけるか、というところだと思う。シーズン中にどんどん良くしていけたら、ぐらいのイメージですね。完成させるというよりは、シーズン中に成長させていきたいボールかなという位置付けですね」
―きょうの良かった1球なら、決め球にも使えそうか
「毎回、投げられたら苦労しないかと。左バッターには」
―器用にたくさんの球種を操るが、キックチェンジは難しいか
「一番、苦戦しているかもしれないですね、今までで。キックチェンジの定義というか、何時方向でとか、先に頭に入ってしまったので。それを再現しようと追いかけすぎている部分も、もちろんあると思う。何となくでいいなら、投げられるんですけど。キックチェンジという定義に収めるなら、結構、難しく感じますね。スイーパーもみんなやっていたけど、できなかったじゃないですか。その定義ができてしまっているので、追い付かない。先に情報が入ってしまったという難しさはありますね。でも僕はあの変化が欲しいなと。シンカー系でスピードもある程度あって。そこで苦戦はしていますね」
■ブルペンで伊藤の球を受けた進藤
「変化の仕方とか、いろいろやっていると思う。シンカーみたいに落ちていくのが正解なのかなと。回転がそもそも横みたいな感じで、あまり見たことがない。決め球でも、打たせる球でもどちらでもいけると思います。初めての感じでイメージはしづらい。どうやって投げているのか全然、分からない。捕るのが大変です」