《岩本勉のガン流F論》これまでと明らかに違う新庄監督 忘れられないキャンプの思い出も
初実戦で右のスラッガー2人がいきなりドカン!
いよいよ今年もキャンプが始まった。と思っていたら、もう第1クールが終了した。4日には、若手中心ながらも、早くも紅白戦が行われた。今季初実戦。右のスラッガー2人がいきなり結果を出した。今川と有薗。いずれも完璧なホームランを左中間の芝生席に叩き込んだ。
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各陣で激しいポジション争い
今年のキャンプは、ひと味もふた味も違う。スタートから、誰もがピリついている。言い換えれば緊張感に包まれている。それは投手陣、野手陣、もっと細かく分ければ、先発陣、中継ぎ陣、リリーフ陣、外野陣、内野陣、捕手陣、右のスラッガー陣…などなど。各陣が激しくポジションを争っているからに他ならない。
より緊張感を高めたエース伊藤のブルペン投球
その緊張感をより高めたのが伊藤だ。2日にブルペン入りすると、実に丁寧に腕を振った。それだけ伊藤も気を引き締めてブルペンのマウンドに立っていたということだ。その空気に、ボールを受ける捕手、見つめるコーチ陣、誰もが背筋を伸ばした。
4年目シーズンを迎えた新庄監督
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新庄監督もこれまでとは明らかに違う。昨年の2位躍進もあり、事あるたびに「優勝を目指す」と公言している。1年目から昨季の3年目までは「◯◯だったらいいよね」といったニュアンスのコメントも随所に聞かれた。だが、今季に向けては一変。確実にチームにおけるあらゆる現実を見つめながら、言葉を発している。本気度がうかがえる。
誰もが、揺らぐ心とともにキャンプインし、結果を出すたびにプロ野球選手を実感していく。若手は連日、緊張感の中でアピール合戦に必死だろう。それでいい。その一つ一つが貴重な経験なのだから。私も常に必死だった。だから4、5年目ぐらいまではグラウンド上でのことを、ほとんど覚えていない。
新人王争いを繰り広げた片岡篤史
当然、いい思い出もあった。ふと頭をよぎるのが片岡篤史さんとのシーン。私は高卒でプロ入り。3年目に大卒だった片岡さんが入団してきた。同部屋だった時もある。でも言葉を交わしたのは寝る直前のみ。早朝6時30分には部屋を出て、夕食後もすぐに夜間練習に向かっていた。お互い様ではあるが、片岡さんは特守をしたり、とにかくバットを振ったり。だからこそ、1年目から新人王争いを繰り広げた(125試合に出場し、打率・290の10本塁打、53打点)。
ドアの下から滑り込ませた〝お誘い〟
就寝前はいろんなことを話した。どうやって互いにプロで活躍していくか。そんなことが主だったはず。「大学って、どういうところですか?」と質問したこともあった。2人とも結果を出し、1人部屋になり、隣同士だったこともある。携帯電話などない時代。紙に「肉でも食べに行きませんか?」と書いて、ドアの下から滑り込ませたっけ。今でも会えば、そんな思い出を語り合う。
キャンプは第2クールへ
皆、必死になってもらいたい。ただ、けがには要注意やで! スタートから名護、国頭の気温が低めだったのは好都合だった。誰もがいや応なしに、前のめりになる環境が整っている今年の日本ハム。気温の上昇は時にオーバーワークに拍車をかける。それがなく、みんなじっくり自分をチェックしながらキャンプインできた。第2クールから、徐々にハイパフォーマンスが見られることだろう。
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