生田目翼 ブルペンで117球の熱投 2年連続1軍完走への〝秘策〟
ブルペン投球を行った生田目。時折、笑顔を見せた=撮影・松本奈央
昨季43試合登板の7年目右腕
投球の幅を広げる―。日本ハムの生田目翼投手(29)が7日、ブルペン投球を行い、117球を投げ込んだ。
昨季は自己最多の43試合に登板するなど、1年間1軍完走を果たした。19日に30歳を迎える中継ぎ右腕は、さらなる飛躍を遂げるための〝秘策〟を頭の中に描いている。
熱気に包まれたブルペン
雨もパラつき、最高気温13℃と春季キャンプとして冷え込んだ中でも、生田目は熱かった。真っすぐ、カットボール、ツーシームといった生命線となるボールを中心に小気味よいテンポで腕を振る100球超えの熱投を披露した。
「肘と体と肩と全部の状態を見ながら、良ければ投げようかなと思ってましたし、セット(ポジション)、クイック(投球)をやってなかったんで、クイックを重点的にやろうかなと思ってました」と汗を拭った。
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海を渡った右腕から学んだ投法を実践
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米大リーグ・フィリーズとマイナー契約を結んだ青柳と共に行った静岡・沼津での自主トレでは〝脱力投法〟を意識してきた。
「力ゼロで伸びる球を投げるっていう意識はめちゃめちゃ強いし『力んでも意味ないから』っていうのは青柳さんからもずっと言われていた」と、この日もリリースまでは力を入れない意識で投球を繰り返した。「きょうも100(球)投げて、意外と疲れなかった」と力感のコントロールはうまくいったようだ。
徐々に本番仕様へと近づけていく
右打者の内角にツーシームを、左打者の内角にはカットボールを強気に投げ込むスタイル。厳しくいきすぎても、バットを振ってもらえない。その制球には繊細さが伴う。
「最初の方とかはちょっと真ん中から曲げて、ファウルを取って―とかやってから、ちょっと広げていく」。ただ、それは試合に入ってからの話。今の段階では、4等分したストライクゾーンにしっかりと投げ分けられるようにしていく。
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バックドアを有効活用 左打者には◯
そして、自らの特長をさらに生かすために、ある球をイメージしている。左打者の外角から入ってくるカットボール、いわゆるバックドアだ。この日も左打者を立たせた際に何球か投じた。
「(左打者の)外はシュートと思われたら、簡単に見逃されると思う。逆にそこで(外から)入れてきたら、外のシュートを振ってくれるかな、みたいなのはあるので、ちょっと使ってみたいなというのはあります」。一方で右打者の外角からのツーシームには懐疑的だ。「曲がらないと思いますし、それこそクソほど弱い球になると思うので、そっちはないですね」とキッパリ。左打者の〝外カット〟に新たな活路を見いだすつもりだ。
キャリアハイ更新へ 「何でもやります!」
19日に30歳となる。「30歳まで野球やらんやろって思ってました。社会人の時からですけど。プロ入って24歳。6年もやらんやろって思ってました」という。だが、野球をやめるどころか、30歳を目前とした昨季、キャリアハイの成績を叩き出した。
「ありがたいし、うれしいですね」 と笑みを浮かべた。難しいスクランブル登板も難なくこなす背番号13は「(1軍)完走します。役回りがあれば、何でもやります!」。ここまでたどってきた1軍の道を途絶えさせるわけにはいかない。節目を迎える2025年、さらなる山を越える。
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