【一問一答】北山亘基 今キャンプ最多のブルペン100球 研究と実践の成果じわり
家紋入りグラブでブルペン投球した北山=撮影・松本奈央
日本ハムの北山亘基投手(25)が7日、1軍キャンプ地の沖縄・名護でブルペン入りし、今キャンプ最多の100球を投げた。苦手意識のあった右打者の内角球をポイントにしていたが、感触は上々。先発ローテーションの有力候補は、自らの計画に沿って調整し、実戦に向かう。取材に応じた一問一答は以下の通り。
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―3度目のブルペンを振り返って
「きょうは100球、投げたんですけど、キャンプに入って一番多く投げられて、そこが一つ良かったかなと。ただ、いいところもあれば悪いところもあったので、次につなげていきたいなと思いました」
―いいところ、悪いところとは
「このオフ、真っすぐの強さ、精度を上げるトレーニングをしてきたんですけど、そこが出た部分もありましたし、時折、上に抜けてしまうボール球もあったので、今後、もう少し詰めていきたい。変化球も落ち球のスプリット、カットボールでいいボールが結構あったので、よりそのいいボールを増やしていけるようにやりたい」
―打者を立たせ、カウントも意識しているように見えたが
「まだそこまで実戦に近づけようという意識はないんですけど、形から入ってやって。去年、右打者に対してのラインの引き方というか、自分の中でイメージがぼんやりする部分があったので、そこを改善するようにトレーニングしてきた結果、今年は右打者にいい形でラインが引けている部分があるので、そこは一つ良かったです」
―現段階の調整具合は
「一番はけがをせず、できていること。ここ最近は寒いので、よりけがに注意して。暖かくなってくると、体も動いてくると思うので、そこに合わせてしっかりやりたい」
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―オフは球の強さを意識してきたが、現状は
「真っすぐ立つところから、投げたい方向に体を進める。シンプルなんですけど。今までミットに向かって力が分散しているようなところがあったので、よりまとまるように。一つの力に集約して投げられるように、トレーニング、技術練習をやってきました」
―オフにドジャーズの山本と連携して
「自主トレ自体は今回、タイミングが合わなくて、できなかったんですけど、直接お会いする機会はあって、少しお話ししました。今オフは、たわいのない会話というか、野球の内容というより楽しくお話しした、というぐらいだったので。昨年はシーズン中、個人的に連絡させてもらってリカバリーの部分だったり、先発投手としての質問をさせてもらって、アドバイスをもらうこともあったので。それも引き続き、大事にしながら今年もやっていければ」
―先発ローテーション争いは激しいが
「もちろん、開幕ローテを狙っていくつもりでやっています。スタートが大事ですけど、終わった時に、1年間しっかり回った、ということが大事だと思うので。目先の開幕ローテを目指してやっていく中で、シーズンも見据えて。通年で回れるように、ということに重きを置いて、トレーニング、コンディショニングをしっかりやっていきたい」
―このキャンプをどういう時間にしたいか
「今年、実戦の登板予定が例年より後ろに詰まっているので、今この時期は、自分の練習、やりたい練習がすごくできる時間なので、そこは大事に使って。だんだん実戦が近づいてきた時にまとめるという形でやっていきたい」
―先乗り自主トレでやりを使ったり、重さ1キロのボールを投げていた。その意図は
「説明したら1日過ぎてしまうので、難しいですけど(笑)。やりだと、ちょっと体が開いてしまうと、外に逃げたり。手だけで投げてしまうと引っかけてしまったり。いろいろあるんですけど、一つのチェック。その手前にトレーニング、エクササイズもするので、それと実際に硬球を投げる時の技術をつなぎ合わせるというニュアンス。確認作業の一環としてやっています」
―重いボールについては
「ボールも、投げたいメカニズム、メカニックというか、目的は似通っていて。やりと交互に投げたりするんですけど、あれも重たいので、小手先で投げるとけがをしてしまったり。部分的に負荷がかかるので、体全体をつなげて一つにまとめて動かす、というニュアンスです」
―宮西、生田目も見て実践していたが
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「宮さんには、すごくいいなと言ってもらって。個人的に取り入れたい、という話をされていたので、ぜひと。時間が空いている時に、室内で投げたりとか、やらせてもらっています。僕がやっている取り組みがいいと言ってもらえるのはすごくうれしいですし、そこはタイミングが合えば、また一緒にやりたい」
―独自の調整法に見えるが
「プロに入って去年までの3年間で、自分なりにいろいろ試した中で一本化した取り組みの一つなので、今後も続けていくつもりです。自主トレ仲間は他球団にもいますけど、ファイターズでは僕だけなので、特殊に見えますけど、自分の中では一貫性を持って、確信を持ってやれている部分なので、これからもしっかりやりたい」
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―ブルペン捕手は速いと。きょうの最速は
「150キロくらいだと思います。途中で見るのをやめたんですけど。捕手の方が速いなと言ってくれたのは、手元の球。僕が放した後じゃなく。ミットに入る手前のボールの強さ、みたいな部分を言ってくれたのかなと思います」
―練習後にブルペン捕手と話して
「気温が低かったですし、最近のトレーニングの強度を含めてうまくいったこと、いかなかったことがあったんですけど、真っすぐに関しては強いボールが何球かありましたし、捕手の方もいいボールが来ていると言ってくださったので。そんな話をしました」
―現在の直球の出力は何パーセントか
「7、8割でやっているんですけど、キャンプ中ということもあってランニング、トレーニングの強度が上がっていますし、そことの兼ね合いもある。これからもう一つ、より実戦に近づけた調整だったり、練習内容でもっともっと仕上がってくると思う。一番はけがをせず、そこまでしっかりやっていけたら」
―右打者へのライン出しは、どう改善したいのか
「右のインサイド。僕の場合はちょっと苦手意識があって。最後、腕を振り切れない部分が正直、あったんですけど。今年は違う。きょうも何球か投げたんですけど、ラインが引けているので、しっかり腕を振って。高低の問題はあるんですけど、横のラインは投げられていた。いいんじゃないかなと。そこが大事なポイントになってくるので」
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―真っすぐを投げる際のイメージか
「そうですね。基本は。あまりツーシームとか投げないので。右のインサイド、真っすぐ。そこが決まってくると、外の曲がり球だったり、落ち球への(打者の)手出しも増えてくると思うので。左打者に対しては投げられる部分はあったんですけど、右が課題と捉えていたので、いい兆しかなと思います」
―このタイミングで100球を投げたのは
「前回は35球ぐらい投げたので、そろそろ質よりも体力的な部分も含めて一度、球数を投げたいというタイミングだったので。絶対に100球とは決めていなかったですけど、キリがいいので最後、頑張りました(笑)」
―昨シーズン、100球あたりでスタミナ切れを感じた部分があったのか
「球数で疲れるというよりは、メカニックの部分や無駄な力みがあったので。その蓄積疲労をつぶしていきたいという中で、今年は良くなっているところがあるので。いかに自分のロスをなくして投げられるか。そういうところに着目してやっていきたい」
―ウエートトレーニングより体の動きに主眼を置いているが、今年の変化は
「僕のトレーニングはウエートをしない、ということなんですけど、ウエートをしないと言うと、トレーニングをしていないと思われるんですけど、自重で普通にやっているウエートトレーニングと同じか、それ以上のレジスタンストレーニング(筋肉に負荷をかける動きを繰り返すこと)をしている。体に負荷がかなりかかるトレーニングをずっとやっているので、運動強度的には全然、劣らない。ただ、重りを持ってやらないというだけで。自重で、例えばブリッジもそうですし、倒立だったり、いろいろやるんですけど、筋肉量も上がってきていますし、かなり高強度のトレーニングを継続しています」
―自重で筋量が増える
「ウエートトレーニングは重りを使って、軸を崩して筋肉を鍛える。僕は重りを持たずに軸の中で鍛える、というニュアンス。説明は難しいんですけど」
―グラブに北山家と記してあったが
「見えちゃったんですか(笑)。北山家の家紋をウエブにしたんですけど。遊び心で。なんか、あったんですよ、実家に分かるやつが。それを見てやろうかなと」
![](https://www.doshinsports.com/files/user/202502072121_3.jpg?v=1738930895)
―キャンプから使っているグラブか
「今年はあれで投げたいなと思います」
―一家を背負って
「ご先祖様に感謝して投げたいなと思います」