冬季スポーツ
2025/02/08 22:10 NEW

スマイルジャパンが2連勝で4大会連続五輪出場決定 引退危機乗り越えたFW浮田が2得点【女子IH五輪最終予選】

第1ピリオド15分32秒、チーム4点目のゴールを決め、笑顔を見せるFW浮田(右)=撮影・金田翔

■アイスホッケー女子2026年ミラノ・コルティナ五輪最終予選グループG(2月8日、苫小牧・nepiaアイスアリーナ)
▽第2戦 日本6-0ポーランド(6-0、0-0、0-0)

 第3セット60分での勝利で1位突破が決まる日本は、ポーランドに6-0で完封勝利した。2014年ソチ五輪から3大会連続出場中のFW浮田留衣(28)は3-0リードの第1ピリオド15分32秒、ゴール前でのワンタイムシュートで1点目を挙げると、同18分26秒には2ゴール目を決めた。日本は第1ピリオドだけで6-0と圧倒し、9日の中国戦を残して4大会連続5度目の五輪出場を決めた。

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 真っ白なリンクに、赤と白のスマイルの大輪の花が咲いた。小池詩織主将(31)は、中継したNHKのインタビュアーを務めていた前主将の大沢ちほさんから感想を聞かれ、「本当にこのオリンピック出場っていうのが、『つなぐ』っていうところで私の大きな役目だと思っていた。今、無事に、つなげられるスタート地点にやっと立てた」と安堵の表情を浮かべた。前回大会の北京五輪後、一時は引退を考えていたが、代表を引退した久保英恵さん(42)から「残ってほしい」と説得されて翻意。主将としてチームをまとめ上げた。

第2戦での最速突破に浮田が貢献

 若手とベテランが見事に融合した。6日のフランス戦では、五輪出場組のベテランが7得点中1得点にとどまっていたが、ポーランド戦では4得点。なかでもFW浮田は2ゴールと躍動した。「どうなるんだろうって不安な気持ちがいっぱいだったけど、3戦やる前にしっかり自分たちのやるべきことをしっかりやって、2戦で決めることができたというのはすごいうれしい」と浮田。圧倒的な攻撃力を披露し、8年ぶり最終予選の最速突破に貢献した。

第1ピリオド18分26秒、チーム6点目のゴールを決めるFW浮田(手前)

 

「きょうも勝ちましょう」と声出し

 試合前には声出し役を担当していた。「このチームは、やろうと決めたことをすごいしっかりやってくれるけど、それが長くは続かない。1戦勝ったから、結構余裕ができてしまうのではないかなっていう心配も少しあった」という浮田は、それを吹き飛ばすため、「初戦にできた良いプレーがきょうできないわけなんてない。きょうも勝ちましょう」と、チームを鼓舞した。

違う形で2得点 守備でも活躍

 浮田の1点目はゴール前の鋭い嗅覚、2点目は持ち味の泥臭さあふれるゴールだった。3-0で迎えた第1ピリオド15分32秒、FW志賀紅音(23)がパックを相手ゴール正面まで運ぶと、ゴール左サイドで待ち構えていた浮田へラストパス。うまくスティックを合わせて押し込んだ。「紅音がもしシュート打ったとして、リバウンドが出たとしても、しっかり叩けるようにスティックをつけて準備はしていた」。6日の初戦で無得点に終わっていたが、緊張から一気に開放された。

 2点目はその約3分後。センターラインを越えた辺りから自らパックを持ち込み、ゴール前でシュートレンジに入ったが、さらに前に進んで相手選手をギリギリで交わし、角度のないところからGKとポストのわずかな隙間を通した。守備でもしっかり活躍した。代表最長身となる170センチの恵まれたフィジカルを生かし、1対1のバトルには無類の強さを発揮した。

最年少で出場したソチから成長

 初めて自力で出場権をつかんだ14年ソチ五輪では、釧路工業高の2年生で代表最年少だった。18年平昌では2ゴール1アシスト。22年北京では、初戦で決勝ゴールを挙げるなど、代表の中心選手として成長を遂げてきた。

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