札幌新琴似リトルシニア生嶋監督「楽しみでしょうがない」 教え子が甲子園開会式で優勝旗返還へ
札幌新琴似リトルシニアの生嶋監督は、センバツ甲子園に出場する東海大札幌高や2連覇狙う健大高崎など10人のOBたちの健闘を願った=撮影・西川薫
健大高崎の加藤大成主将が大役
中学硬式の強豪・札幌新琴似リトルシニア卒団生が、3月18日に阪神甲子園球場で開幕するセンバツ高校野球大会で、北海道代表の東海大札幌高を含む4校から最多10人がベンチ入りする。今年で就任39年目に突入した生嶋宏治監督(64)はこれまで多くの教え子たちを全国に輩出。育てた教え子たちはそれぞれ甲子園を目指してきたが、栄冠を勝ち取ったのは昨年のセンバツ甲子園で優勝した健大高崎の加藤大成三塁手(2年)含め10人にのぼる。その加藤がセンバツ甲子園開会式での優勝旗返還の大役を務めることに合わせ、生嶋監督は教え子の晴れ舞台に赴くことを決意した。
選抜甲子園の開会式で優勝旗を返還する健大高崎の加藤主将(提供写真)
中学硬式で全国3位2度の世代
3年前の夏、中学硬式で2度の全国3位に輝いた世代が大きく成長して甲子園に挑む。なかでも「健大高崎の加藤キャプテンの優勝旗返還があるでしょ。卒団生では初ですよ、初。楽しみでしょうがない」。開幕を今か今かと待ち望む。
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生嶋監督は2019年に札幌市役所を早期退職。札幌麻生球場近くで始めた居酒屋「覇王樹」店内の壁には、教え子が進学した全国強豪校のユニホームを中心に所狭しと野球グッズが飾ってあり、連日のように卒団生や関係者が野球談議に花を咲かせている。そのころからは週に3回の平日練習も可能になり、さらにチーム力強化を押し進めてきた。
OB初の甲子園優勝達成は駒苫戦士 岩田、糸屋ら5人がベンチ入り
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教え子で初めて甲子園で全国優勝したのは、04年夏に北海道勢として初優勝を成し遂げた駒大苫小牧の選手たちだ。エース岩田聖司投手(3年)、糸屋義典捕手(3年)のバッテリー、桑島優一塁手(3年)、刈谷太一(3年)、辻寛人(2年)の5人がベンチ入りしていた。翌年のV2メンバーにも、2年連続で辻遊撃手(3年)が入った。
2004年8月19日、全国高校野球選手権準々決勝の横浜戦でバッテリーを組んだ駒大苫小牧の岩田投手(左)と糸屋捕手
2000年以降は道外へ進む傾向が増
卒団生が道外へ野球留学するようになったのは、2000年に秋田経法大付属(現・ノースアジア大明桜)に進学した平塚隆一、桑島知宏、佐藤茂樹の3人。甲子園にも出場した。そこからは宇都宮学園高(現・文星芸術大付高)、PL学園、浦和学院と強豪校に進む選手が続出した。
2023年4月、道外へ野球留学した札幌新琴似シニアOBが集結。前列左から健大高崎の山田、日本航空山梨の髙井、山梨学院の田村。後列左から日本航空山梨の平井、山梨学院の鳴海、健大高崎の加藤、日本航空の藤田=生嶋監督提供
強豪に進んだ選手が次々と日本一に
すると、11年のセンバツ大会では、東海大相模の近藤正崇投手(3年)がエースとして全国制覇。18年には大阪桐蔭の奥田一聖内野手(3年)が春夏連覇を達成。そして昨年は、センバツ優勝の加藤三塁手に続き、夏の甲子園で初優勝した京都国際の尾角凌内野手(2年)と、のべ10人の卒団生が日本一に輝いている。
2011年7月25日、選抜の優勝投手となった東海大相模・近藤正崇(右)と札幌新琴似リトルシニアの生嶋監督
教え子の対戦が「開幕試合なら最高」
18日の開会式を見届けた後は、監督としてリトルシニア全国選抜大会へ向けての準備があるため、その日のうちに帰道しなければならない。7日の組み合わせ次第では開幕試合で教え子同士の対戦が実現するかもしれない。「開幕試合なら最高、見て帰ってこれるからね」。甲子園で活躍するOBの姿を刺激に、リトルシニア北海道勢初優勝へ、指導にも熱が帯びていく。
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