【10年前の忘れもの】③01年春出場・三嶋友希(41)選抜甲子園出場の東海大札幌高へ必勝エール
就任10年目の戸田部長は「同期の誇り」
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記憶に残る思い出のワンプレー
準優勝以来10年ぶりに選抜高校野球に出場する東海大札幌高へOBが必勝エールを送る企画「10年前の忘れもの」第3回は、2001年春の甲子園で「5番・一塁」で出場した三嶋友希さん(41)。道勢の甲子園出場の歴史の中でも、21世紀初勝利&春通算30勝という節目の試合に出場した。現在は発足4年目の北空知深川リトルシニアで監督を務め、昨秋は全道初タイトルに導いた。その指導の原点には、母校での教えと甲子園で自ら経験した一つのプレーがあった。(学年は当時、敬称略)
「優勝を目指せる。一戦必勝」
三嶋さんは甲子園に出場する後輩へ「優勝を目指せる。一戦必勝だけど、上を目指して頑張ってほしい」とエールを送る。母校の快進撃を望み、「うまくスケジュールが合えばあえば応援に行きたい」と心待ちにする。甲子園開催期間中の3月25日には、大阪で自分たちが北海道第1代表として初出場するリトルシニア全国選抜大会の開幕が控えている。メンバーは2年生が10人、1年生が11人。この冬に「加圧式トレーニング」を初めて導入するなど、母校の現役チームと同じように大舞台への準備に忙しい毎日を送る。
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戸田部長は一番練習していた
今年の選抜高校野球では、同期の戸田敬太部長(41)が指導者として初めてベンチ入りする。「戸田は同期の誇りです。高校3年間は第一線ですごく活躍した選手ではないけど、同期としては一番。練習はめちゃめちゃやっていた。教育大に行って部長になって、そういう経験をしたからこそ、伝えられることがいっぱいある。こういう人が指導者をやるべき。でもちょっと大脇イズムが入りすぎているかな」と笑った。
指導の原点は高校時代3年間の中に
自身は卒業後、野球から遠ざかっていたが、息子が野球を始めたのをきっかけに約8年前に少年野球の一已バトルスのコーチとなって指導者に。同チームの監督を経て、21年には北空知深川リトルシニアの発足に携わった。現在の指導には高校時代の3年間が土台になっているという。
「東海が今でも変わっていないのが、『全てのことが野球につながる』という部分。正直、高校の頃は分からなかった」。現在のクラブチームの監督として、子供と接する時間は限られる。「普段の生活の中で『つながりを持ってやっていかないと』と東海で教えてもらった」と、少ない時間の中でも言葉遣いやあいさつなど、一見、野球とは関係ないように見えるところを大切にしている。いつか教え子を母校に送り出すことも夢の一つだ。