《大分戦前日》決着をつける〝ディサイダー〟の選手層はJ2の中でトップクラス
■2月15日、熊本・大津町運動公園球技場
9年ぶりにJ2リーグを戦う北海道コンサドーレ札幌は15日、翌日に控える大分との開幕戦(クラサスドーム大分)に向け、熊本・大津で最終調整を行った。練習を終えた岩政大樹監督(43)は報道陣の取材に応じ、新体制で迎える今季の意気込みを語った。
―開幕を迎える心境は
「楽しみですね。選手の時より楽しみかも。以前、違うチームの監督をしていたときよりも。それは自分の中の成長と言えるのかもしれません」
―キャンプを過ごして
「スタッフ、選手たちのおかげで非常に素晴らしいプレシーズンになりました。非常にし烈な競争が行われていて、これだけケガ人が少なく開幕を迎えられて20人を選ぶのが大変な状況。本当にありがたい悩みです」
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―大分の印象は
「あちらからするとホーム開幕。強度の高い守備でこぼれ球を拾って、ショートカウンターを狙ってくる印象です。それに対して自分たちが、どれだけやってきたことを出せるか、という試合になる」
―北海道から多くのサポーターが来る。意気込みを
「これから長いシーズンを共にします。きっと楽しいシーズンになると思いますので、楽しみにしていただければ。これから良い時、苦しい時があると思いますが、それを乗り越えられるチームづくりができたと思う。共に戦っていただきたいです」
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―今年のコンサドーレのサッカーを一言で表すなら
「どういうサッカーというのは難しいけど、少なくとも昨年とは違うサッカーです。北海道コンサドーレ札幌が目指すフットボールが継承されながら、新しいものに変わっていく。変化を見られると思うし、今後もできるだけ長く発展していくフットボールを見せたい。そういうシーズンになると思います」
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―独特の難しさがあると思うが、開幕戦の位置づけは
「38分の1ですか? そうではないですか? とよく言われますが、どっちでもないと思います。どちらかと言ったときに間違えるものだと思っているので、どちらとも言いません。開幕戦を戦う前は、開幕戦が一番大事だと言いますし、これが終わったら2節目が大事だと言う。それが終われば次の試合が大事だと言い、次はホーム開幕が大事だと言う。その繰り返しですね。そういう世界だということを僕はよく分かっていますので、どちらとも言いません(笑)」
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―開幕戦で見極めたいポイントは
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「試してみたいという感覚では見てないですね。チームとして進んできたものが、どれぐらい出るのか。開幕戦ということを差し引いて考えなければいけないゲームプランもある。ゲームに入ったタイミングでいろいろ見極めて、90分の戦略を考えて戦うだけです」
―選手の時より楽しみなのは良い手応えがあるからか
「これからのシーズンを戦う上でのチームづくりはできた。それを手応えというのであれば、そう受け取ってもらって構いません。ただプロの世界なので、勝って、優勝したり、昇格したときに初めていろんな事を、きちんと言える世界だと思っている。過大評価をする必要はないけど、選手はしっかり取り組んでくれた。20人を選ぶのが大変な状況で開幕を迎えられるとは想定していませんでしたから、ありがたい状況なのは間違いないです」
―高嶺主将はチームの強みを選手層と話していた。キャンプを通して見えた強みは
「それは間違いなくあると思います。プレシーズンでも結果を出してきましたし、J1チームと比べても遜色ない選手層を持っている。僕はベンチメンバーをディサイダーと呼んでいる。スターターとディサイダーがいて、決着をつけるディサイダーの選手層はJ2の中でトップクラス。その選手たちがどれぐらいゲームを変えるか、決着をつけるのかっていうところも、うちの強みになると想像してます。ベンチに並べたメンバーも相当な選手がいるし、ベンチ外にも相当のメンバーがいる。ケガ人も戻って来て全員いたら、僕はどうするんだ? っていうぐらい困ってます」
―試合メンバーの枠が20人になった。メリットは
「僕が鹿島時代に強化部を通じてJリーグに進言した一つの意見でもある。僕だけではなく、いろいろな方が言っていたかもしれませんが。18人の中で5人交代となるとメンバーが限られてしまう。スペシャルな選手を選びづらく、若い選手も選びづらい。無難な選択をしがちになってしまう。選手を育てたいのであれば20にした方がいい、とお伝えしていました。実際にそうなったので監督としてはやりやすい。ディサイダーの選手をどう出すか、その選手たちの活躍によって決着がつくと思う。5人交代になったことでフットボールが変わってきている。僕が選手の時は3人でしたから。監督の感覚でいえば、3の場合は1人のスーパーサブがいたら、ケガ人を想定するともう1人しか変えられない。基本的にスタートのメンバーがフルメンバーになって、それ以外の選手たちはサブ、ベンチとなっていた。今は5人交代で半分を代えられるので、後半に相当ゲームを変えられる。サッカーは変わってきていて、うちは強みを出せる状況。今回はスタッフ、選手の取り組みによって、これだけケガ人が少ない。メリットを生かしやすいので、あとは僕が責任を持って決断することです」
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