【一問一答】柴田獅子 プロ初実戦でいきなり存在感を発揮 左中間への大飛球で場内沸かせる
三回、左中間へ大飛球を放ち、ベンチに戻る柴田=撮影・松本奈央
■紅白戦 紅組4ー4白組(2月15日、Enagicスタジアム名護)
日本ハムのドラフト1位ルーキー柴田獅子投手(18)が、プロ入り後初の実戦で才能の片りんを見せつけた。二刀流を目指している背番号31は、紅組の「9番・DH」で先発出場。三回の第1打席で、玉井大翔投手(32)の2球目を振き、左中間へ大飛球を放った。惜しくも中飛に終わったものの、球場のファンからは大歓声と大きな拍手が送られた。この打席のみで途中交代となったが、豊かな将来性を感じさせた初実戦となった。主な一問一答は以下の通り。
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―初の実戦出場。どんな心境で臨んだか
「緊張感というのが、きのうからずっとありましたけど、やっと1打席が終わって、今はホッとした気持ちです」
―もともと緊張するタイプか
「良い緊張をするタイプです」
―打席に立ったシーンを振り返って
「初球からいこうという気持ちだった。強くフルスイングするのは当たり前ではありましたけど、やはりプロの球は違うなというのを実感しました」
三回、豪快な中飛を放った柴田
―どんなところで違いを実感したか
「(球の)伸びであったり、空気抵抗というか、圧をすごく感じました」
―左中間への大きなフライ。アプローチをどう評価するか
「打った感触的には悪くはなかったですけど、それでも伸びなかったので、パワー不足だなというのは感じました。まだまだパワーが足りないです」
―ここからどう成長していきたいか
「まず今年1年はフィジカル面を強化するのが目標なので、そこをメインにやっていって。技術面は投手の方をメインでやって、バッティング練習もやるんですけど、数を打って技術的な部分も増やしながら。メインはフィジカルなので、そこを鍛えると、あれ(中飛)が入るかなと」
―センターフライを打った瞬間の気持ちは
「悔しさはありました。あと少しで入ったなという思いがあったので、全然まだまだという感じです」
―打席の直後には場内から大きな拍手が沸き起こった
「やはり(プロとしての)1打席目ということで。センターフライではありましたけど、当たりとしては悪くなかったので、これからもっと良い結果を出して、声援がもっと大きくなるようなプレーをしたいなと思います」
―ホームランを狙っていたのか
「強くスイングをするというのがメインだったので、その延長線上でホームランというのはありました」
―ホームラインのイメージはできていたか
「まずは当てることがメインだったので、あんなにうまく当たるとは思っていなかったです」
―打球を見た瞬間、新庄監督は両手を上げていた
「いや、まだパワーが足りないので。まだまだです」
三回、中飛を放った柴田に拍手を送る新庄監督
―風がなければ、とは思わなかったか
「いえ、風に負けないパワーを付けたいです」
―打球角度は狙い通りだったか
「初球の空振りは結構、引っ張った感じだったんですけど、めちゃくちゃ振り遅れていて、差されました」
―相手は玉井。対戦しての印象は
「ブルペンで一回、打席に立たせてもらったんですけど、その時の球と全然、違っていて驚きというか、やはりプロはすごいなと感じました」
―打った瞬間、スタンドインを想像したか
「感触は少し重たかった。バットの感触が重くて、負けた感じはしたんですけど、伸びてくれればと思ったんですけど。最初は打球を見失っていて、見たらうまく左中間に飛んでいて。あとちょっと、というところでしたね」
―逆方向、左中間方向への打球はよく伸びるのか
「そうですね、意外と伸びるコースです」
―打ったボールのコースは
「低めのインコース付近でした。真ん中とインコースの間ぐらいです」
―キャンプ後半戦ではどのような調整をしていくか
「変わらずウエートであったり、技術面、バッティング練習もそのまま、けがせず、無理をせずという感じでやっていって、無事にキャンプを乗りきるというのが目標です」
―入団時、球団はいろいろな可能性を考えながら育てていくという話があった。方向性は見えてきたか
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「このまま進めばいいかなと自分は思っている。自分の中にある本質的なものというのを伸ばしていって、あまりいろいろと変えたりせずに、真っすぐ突き進んでいくという感じです」
―プロデビューに向けて、今後どのように自らを磨いていきたいか
「自分というものをプロの1軍で表現したい。それをファンの方であったり、プロ野球を見ている人に見せられたらいいなと思っている。自分の個性というものを表現したいなと思っています」
―1軍の選手の雰囲気はどうだったか
「最初はやはり、なじめない部分はあったんですけど、打球を打ってからはベンチで歓迎してくれていた感じはしたので、すごくうれしかったです」
―声をかけてくれた選手はいたか
「皆さんが、かけてくれて。(どんな声?)ナイス打球、みたいな」
三回1死一塁、中飛に倒れるも豪快なスイングを見せた柴田
―昼には集合写真を撮影。プロで初の撮影ということで気を付けたことはあるか
「隣が清水(大暉)と達さんで。2人とも大きいので、負けないようにと」
―背伸びはしていない?
「していないです(苦笑)」
―理想通りの写真は撮れたか
「撮れました(笑)」
―浅利と山城も実戦デビュー。試合前にルーキー同士で声をかけ合ったりしていたか
「浅利さんからは『頑張れよ』と言われたんですけど。浅利さんは自分が先発なのに僕のことを言っていたので、浅利さんとはコミュニケーションを取りました。(それに対してどういう返しを?)お互い頑張りましょう、と」
―大卒の先輩だから「おまえもな」とは言えなかった?
「言えないですよ(苦笑)」
―新庄監督と話はできたか
「(新庄監督は)一塁側だったので、会話はなかったです。(写真撮影の時も?)そうです。全く(なかった)です」
―国頭での調整はフィジカルとバッティングという感じでやっているのか
「いえ、投手がメインなので。バッティングは練習しているだけという感じなので、実戦はあまり。投手がメインなので、体づくりや動作的なメニューもあるので、残りの約2週間をしっかりと乗り越えて、鍛えていくという感じです」
―投手として、今後の練習は
「17日にブルペン入りですね。(初ブルペン?)そうです」
―投げたくてうずうずしているのでは
「そうですね、しています。やっと、という感じです」
―スイングが大谷に似ている。メジャーのキャンプ情報を見たりするか
「きょうも、こちらに来る前に動画を見てイメージしてきたんですけど、意外と思った以上の打球が行ったので。本当は引っ張れるかなというのはあったんですけど、逆方向に意外と飛んでいったので、良かったという感じです」
―大谷の映像を見たのか
「メジャーリーグと、日本の時の大谷さんの動画を見ました」
―どういった点に一番、注目しているか
「ボールのポイントですね。あとはバットに当たった時の角度を見て。スイングとかはフィジカルが鍛えられれば速くなるけど、当たるタイミングとポイントは、また別の技術面の問題なので、そこを見てきました」
―バットとボールの当たる位置や角度ということか
「体の当たるタイミングです。引きつけだったり、逆に前だったりとか、そういうのを見て。バットが折れない(角度)とかがあるので、折られずに当たる場所を探すというか」
―映像をうまく参考にできている
「きょうは(バットを)折られると思っていました。(イメージトレーニングは)結構、大事ですね。自分の能力をある程度、理解して、これができそうだなとなったら、そこを目指すという感じなので。試合前からホームランのイメージとかをしていても、あまり良い結果が出ないので、逆に目の前の球に一球一球コンタクトしていくという感じです」
―今の大谷ではなく、あえて日本ハム時代の動画を見る理由は
「メジャーの大谷さんは完璧じゃないですか。一言で言うと、ほぼ完璧。でもNPB時代はまだまだ(完璧ではない)じゃないですか。自分も今、完璧になろうとしても絶対に無理なので。逆に少しでも近づけられるNPB時代を見て、何か取り入れられるものはないかな、という目的で見ました」
―きょうの経験をあす以降の練習でどう生かしていきたいか
「自分の能力が、紅白戦での1打席ではありますけど、ある程度、把握できたので、そこを(鍛えていく)。あとはもう体を鍛えずにはいられない。やはりまだダメなので、そこをメインでやっていくという感じです」