葛西紀明 W杯最多出場のギネス記録「579」に更新もポイント獲得ならず【ジャンプ男子W杯札幌大会】
1回目の飛躍後、ファンから健闘を讃えられる葛西=撮影・中島聡一朗
■ノルディックスキー・ジャンプW杯札幌大会(2月16日、札幌・大倉山ジャンプ競技場、ヒルサイズ137メートル)
▽個人第23戦
葛西紀明(52、土屋ホーム)がW杯歴代最多出場のギネス世界記録を579戦に更新した。15日の第22戦では本戦出場を逃していたが、この日は予選で108メートルを記録し、47位で通過。しかし、本戦は1回目105メートルの45位で2回目進出はならず、W杯ポイント獲得はならなかった。
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葛西の1回目の飛躍
消極的なジャンプを後悔
レジェンドの飛躍を誰もが楽しみにしていた。2300人の観客が固唾を飲んで見守った1回目だったが、思うように距離が伸びずに105メートルに終わった。昨季に続く地元でのW杯ポイント獲得を逃した葛西は「きょうの予選も失敗しましたし、前の試合の予選も失敗。たぶん今は消極的なジャンプ。失敗しないようにっていう守りのジャンプをした結果」と、テイクオフまでに迷いを吹っ切れなかったもどかしさを打ち明けた。
チェック項目が増えてリズム崩す でもやっぱりギネスは更新したい
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約1年ぶりのW杯。リズムの違いに少し戸惑った。「W杯はスタート台でいろんなチェックがある」と確認事項が多く、「去年よりもやることが増えていて、自分のリズムが全然つくれない。気にすることが多すぎて、ちょっと集中できていない」と苦慮。どこか急がされた感覚のまま、フライトに臨んでしまい「その辺の経験は不足だったなと思います」と肩を落とした。
W杯ポイントの獲得とはならなかったが、歴代最多出場のギネス記録は更新することができた。当然、納得のいくジャンプができなかった心残りはあるものの「今回はギネスの更新のプレッシャーはなかった。ただ、やっぱりギネスは更新したいなっていう気持ちはあったので、その面では更新できて嬉しいと思っています」と素直な感想を口にした。
1回目の飛躍を終えた葛西
「悔しすぎてジャンプのことを…」
進めなかった15日の個人第22戦は直視できなかったという。「(14日の予選落ちが)もう悔しすぎて、ジャンプのことを考えられなかった。考えたくもなかった」と話すなど、懸けていた舞台だっただけに、その分のフラストレーションは大きくなった。ただ、前日15日とこの日の朝も含めて計10キロほどのランニングを課し、「悔しさを噛みしめながら、どうやって飛ぼうかなっていう気持ちで走ってました」と調整を怠ることはなかった。
「安定していいジャンプができてきたら、『やってやろう!』という強い気持ちも生まれてくるんですけど、このクソジャンプだったらダメですね。ちょっとがっかりしてます」。先のことよりも、まずはジャンプを立て直すことが先決のようだ。
1回目の飛躍を終えた葛西
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