福島蓮 快投の裏にあったルーティン崩しの前日ブルペン「(武田)久さんにも聞いて」
3番手で登板し、五回を無失点に抑え、ベンチに戻る福島(右)=撮影・松本奈央
■練習試合 楽天4-11日本ハム(2月16日、Enagicスタジアム名護)
日本ハムの福島蓮投手(21)が16日、楽天との練習試合(名護)に3番手で五回から登板し、2回をわずか14球でパーフェクトに抑えた。全打者に対しストライクを先行させ、球場表示で最速149キロを計測した直球は威力抜群。「まずきょうは、ストライクゾーンに変化球も真っすぐも全部いけたらいいかな、というテーマで投げました。 久しぶりに真っすぐの感覚が良くて、初球がほとんどストライクだったので、いい流れでいけたと思います」と一定の手応えを口にした。
1軍クラスの楽天打線に対し真っ向勝負
高卒4年目とは思えない落ち着きぶりだった。今季初の対外試合で、辰巳、小深田、伊藤、鈴木大ら1軍クラスが並ぶ楽天打線に対し、ストライクゾーンで真っ向勝負した。五回をテンポよく5球で終えると、イニングをまたいでも調子は変わらない。最後は伊藤を空振り三振に仕留め、堂々とマウンドを降りた。
3番手で登板した福島
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自己採点70点「もっと球速伸ばしたい」課題いろいろ
自己採点は控えめの「70点」。さらなる高みを見据え「もうちょっと球速を伸ばしていきたいのと、狙って空振りを取ることだったり、初球、変化球でも(ストライクを)取りにいけるようになることだったり、いろいろ課題があるので、残りの30点はそこです」と気を引き締めた。
登板3日前に感じた「ちょっと違うな」
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好投には理由があった。登板3日前に入ったブルペンでの投球に「ちょっと違うなという感じ」と納得がいかなかった福島は、前日15日に〝おかわり〟。加藤、武田両投手コーチが見守る中、力感を抑えつつ30球超を投げ込んだ。
「(ブルペンの)傾斜に入って7、8割で投げてみて、力感を体で覚えることをちょっとずつやっていて、それをきのう(15日)もやりました。真っすぐとか変化球のリリースの感覚をつかみたかった。(武田)久さんにも聞いてやっています。どのバランスで投げてとか、リズムをつかめるように」
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前日練習最後のボールを両コーチが絶賛
徐々に熱を帯びた前日練習の最後のボールは、両コーチも賞賛を送るほどだったが、謙虚な右腕は「全力じゃないので、このぐらいの力感だったらある程度は投げられる。ゲームになって出力を上げると難しいです。自信はないです」。言葉とは裏腹に、本番で完璧な結果を残すのが〝福島流〟だ。
前日の投球練習は、自身にとって新たなチャレンジだった。「今まで、前日はあんまりやっていないですね。本当は嫌というか、あんまり投げないんですよ」。ルーティンを崩してでも、成長をつかもうと必死だ。
「まだ2イニング」本当の勝負はこれから
開幕ローテーション入りへ、ライバルが多いことは自覚している。「まだ2イニングなので、これから伸ばしていく段階としては、いい調整というか、いい2イニングになったと思います」。キャンプ後半になれば、主力が実戦に出場してくる。本当の勝負はこれから始まることを、21歳は十分に心得ている。
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