矢沢宏太 2番起用に前向き「自分が理想像になれたら」 キャンプで仲良くなった先輩は同じ東京都出身の…
ライブBPで打席に立った矢沢=撮影・松本奈央
日本ハムが誇る主力3投手から快音
日本ハムの矢沢宏太投手兼外野手(24)が17日、ライブBP(実戦形式の打撃練習)で7打席に立ち、安打性の打球を3本放った。
対戦したのは加藤貴之投手(32)、山崎福也投手(32)、ドリュー・バーヘイゲン投手(34)と、全員がチームの主力。それでも、全投手から1本ずつ快音を鳴らした。
貴重な機会を無駄にはしない!
「(好投手と対戦できて)めっちゃ良かったです。(加藤貴、山崎は)ほかのピッチャーと比べたら、球速自体はそんなに速くないじゃないですか。だけど、打席に入ってみたら、ほかのピッチャーとは違うスピードの感じ方がありました。ライブBPだからできること、真っすぐだけではなくて、変化球を待った状態で真っすぐにどういう反応ができるかとか、そういうことも試せました。それで手が出なかったり、これでも真っすぐをファウルにできるんだ、ということもあったり、いろいろ発見がありました」
ライブBPで打席に立った矢沢
今キャンプはここまで〝1本の刀〟で調整
今キャンプは〝投手・矢沢〟を一時封印し、野手1本で調整を進めている。
「野手だけなので結構、余裕があります。投げるのは体力を使うんですよ。その余力があることで、例えばウエートトレーニングや限られたバッティング練習、より質高くできたりはあると思います」とポジティブな効果を実感している。
やりがいのある五十幡の後
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ここまでの実戦では、1番・五十幡に続く2番打者として多く起用された。
「上位(打線)の打席は貴重」と気を引き締め、「イソさん(五十幡)が出れば、それだけで相手バッテリーは警戒してくれる。盗塁を警戒することでヒットゾーンが増えたり、狙い球が絞りやすくなったり、チームとしていろんな動きができたりする。そういうチームバッティングも大事にしていきたいなと思う中で、もちろん、イソさんが出なかった時は自分が出ないといけないですし、単打だけでなく、右中間、左中間へツーベース、スリーベースというのも自分の足なら狙えると思うので、そういう長打も狙っていきたい」と求められる役割を理解し、必死にアピールを続けている。
五十幡(左)と並んで打撃練習する矢沢
第1打席を重要視
理想の2番に、自分自身がなっていく。「こういう2番がいるんだと、自分がそういう理想像になれたらなと思っています」
目指すスタイルは、試合開始とともにチームを勢いに乗せる〝起爆剤バッター〟。「1打席目で勢いをつくれる、チームに流れを持ってこれるのが上位(打線)だと思う。この先発投手、2巡目に入って慣れたから捉えました―。それも大事なんですけど、僕の中では1打席目に打つのが大事かなと。きのう(16日)の試合も1打席目に打てたので、そこは一つ、大事なことかなと思ってやっています」と力を込めた。
打撃練習中、奈良間(右)と笑顔で言葉を交わす矢沢
〝町田リスペクト〟の先輩と急接近
完全に野手として過ごす中で、仲良くなった選手は「勝手に、浅間さんだと思っています」と同じ外野手の先輩を挙げた。
2人とも東京都出身。「浅間さんは(新宿)区じゃないですか。僕は町田市なので、ちょっと感じが違いますけど、浅間さんは町田にも縁があるらしくて、町田をリスペクトしてくれます。お、町田かーって、良い感じに」と笑った。
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行きすぎOK!? のあのピッチャー
先輩から話しかけてくれることも多く、「浅間さん、優しいです」と感謝する。矢沢からの多少の〝いじり〟も許容してもらえる関係だというが、「もちろん、リスペクトしています。浅間さんはたぶん、一定の距離感を大事にしたい。行きすぎ注意です。ほどほどに」と敬意を示した。
一方で、「(斎藤)友貴哉さんは、行くだけです。どんだけ(距離を)詰めても大丈夫です」と投手の先輩をオチに使った。
狙うは自身初の開幕スタメン
開幕スタメンを狙う24歳。外野の定位置争いは熾烈(しれつ)だが、「ライバルというか、自分がしっかりできていれば、自分としてベストを尽くせていれば、いいかなと思っているので、あまり人は関係ないかなと思っています」と矢印を自分に向けた。
「凡退しても価値のある凡退。進塁させたり、アウトになるにしても、いいアウトのなり方、そういうところも大事だと思う。これからオープン戦に入って、公式戦になった時に、ヒットがなかなか出なかったり、長打が出なかったり、ということがたくさんあると思うので、そんな中でも価値のある打席を送っていきたい」。特大ホームランだけが、レギュラーへの道ではない。やるべき仕事を正確にこなし、目標を達成する。
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