プロ2年目、天才肌のレフティー田中克幸がレギュラー奪取宣言「目に見える活躍したい」
全体練習後、充実した笑みを浮かべるMF田中克=撮影・西川薫
【コンサドーレ熊本キャンプ】
■2月22日、熊本・大津町運動公園球技場
前節は途中出場で絶好機を演出
北海道コンサドーレ札幌は23日、今季初勝利を懸けて熊本とアウェーで対戦する。この日は熊本・大津で最終調整し、プロ2年目の成長株・MF田中克幸(22)はレギュラー奪取を宣言した。今月16日の開幕戦(vs大分)では後半17分に右シャドーで途中出場すると、ファーストタッチのスルーパスでいきなりビッグチャンスを演出。得点にはつながらなかったが、ゴールへのにおいを十分に感じさせた。ボランチやトップ下、シャドーもこなす天才肌のレフティーが次節、一気にその才能を開花させる。
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どれだけ違いを出せるか
全体トレーニング後の居残り練習では、左足で入念にフリーキックの軌道を確かめた。沖縄、熊本と順調にキャンプを過ごし、手応えは確実につかんでいる。「監督の提示だったり、今年やろうとするサッカーも分かります。自分がその中でどれだけ違いを出せるか。クオリティーの部分、結果にどれだけつなげられるかが自分の役目。まず、結果を出して頑張ります」と今季初勝利への貢献を誓った。
ミニゲームでボールを奪いに行くMF田中克(左)
勝利へ〝フルコミット〟
札幌加入の決め手にもなった、キレ味鋭いパスに磨きがかかっている。大分戦では、両チーム無得点の後半17分にMF荒野に代わって右シャドーに入った。その10秒後、相手のクリアボールを中盤やや右で回収すると、ペナルティーエリア左外でフリーだったDF中村へ目の覚めるようなスルーパスを通した。「結果的に0-2で負けていることに変わりはない。いかに途中から出て自分が勝たせられるかを求められていた。結果が全て」。言い訳はしない。その課程より、結果的に勝利へ〝フルコミット〟することに燃えている。
「攻撃は信頼してもらえている。攻撃は僕が責任を持つ…」
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翌17日、福岡大との練習試合ではボランチで出場。複数ポジションをこなすポリバレント性をいかんなく発揮し、3-1の勝利に貢献して岩政大樹監督(43)にアピールした。「シャドーをやってても、中央に降りても、攻撃のところは信頼してもらえている部分もある。そこは自分がどれだけそれに応えられるか、うまくチームの中で潤滑剤になれるか。攻撃は僕が責任を持つぐらいの気持ちでやらなきゃいけない。『こいつがいないと点が入らない』ぐらいに思ってもらえるような、目に見える活躍をしたい」。最速でのJ1昇格を義務づけられたチームの中で、23歳の野望は熱くて、大きい。
ライバルに負けじと結果を残したい
帝京長岡高や明治大で切磋琢磨した仲間の存在が、田中克に大きな刺激を与えている。プロ入りするまでサッカーは、自らがプレーする以外、他人のを見たり、ゲームですらすることはなかった。それが去年、「同期が出たら、やっぱ気にしてます」とプロで活躍し始めた同世代の動向から目を離せない。帝京長岡高で一緒だったMF谷内田哲平(23、大宮)、GK猪越優惟(23、清水)。明治大ではFC東京のFW佐藤恵允(23)とDF岡哲平(23)。「お互いに意識することはあったりもしますけど、アイツらもアイツらですごい頑張っていると思いますし、すごい部分も多い。それに負けじと自分も結果を残して、良いニュースが(向こうに)行くようにやりたい」とライバル心を垣間見せた。
自分はまだこれから
昨季はJ1リーグ17試合に出場して1得点。このままでは到底、満足できない。経験豊富な先輩選手との激しいポジション争いを勝ち抜く気概は十分。「自分はまだこれからですし、この競争に打ち勝たないと、J1でずっとスタメンを張るとか、海外へ行くとかはできない」。もっと上へ、視線ははるか遠くを見据えている。
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