宮西尚生 今季初実戦で3者凡退2K「良い形できょうに合わせられた」手術のオリ輝星に送った言葉は…
六回を無失点に抑えた宮西=撮影・小田岳史
■オープン戦 楽天0-2日本ハム(2月23日、Enagicスタジアム名護)
日本ハムの宮西尚生投手(39)が23日、楽天とのオープン戦(沖縄・名護)で今季初実戦を迎え、1イニングを打者3人で完璧に抑えた。無安打無四球、2奪三振の内容は「調整のためにやっているバッターも多いと思う」と意に介さず、「きょうは内容よりも結果という思いで(マウンドに)立ちました。やっぱりアピールの場だと思っているので、そういう意味ではしっかり結果を出せたと思います」と、引き締まった表情で振り返った。
プロ18年目の鉄人左腕が好発進
小雨が降りしきり、南国らしからぬ寒さの中、プロ18年目の左腕が好スタートを切った。4番手で六回のマウンドに上がると、先頭の吉納を1球で一ゴロに仕留め、続く太田はスライダーで空振り三振斬り。クイックを織り交ぜるなど打者を幻惑し、最後は村林から直球で見逃し三振を奪った。
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昨季から試合で活用しているチェンジアップを、意図的に多く投じた。「バッターの反応を一番、見たかった。数値的な部分はブルペンで確かめているので、それが実際にバッターが立って対峙して、向こうが本気で打ちに来る状況でどういう反応になるのか、そこを見たかったので」と理由を説明。太田、村林に同球種を試し「(反応は)良かったなって思います」と一定の手応えをつかんでいた。
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オフにがっつりトレ「むしろキャンプは楽というか」
今季途中の6月に40歳を迎えるが、衰え知らずだ。「試合での出力はブルペンと全然違うので、どういう感じが出るのかな、という不安は常に持っていたけど、きょうの感じを見ると、順調にここまで来られたんだな、という答えがある程度出たかな。オフシーズンにがっつり(トレーニングを)やってくるので、疲れた状態でキャンプインしている。むしろキャンプは楽というか、それぐらいの感覚。そういう意味で徐々に回復、向上して、良い形できょう(の初実戦)に合わせられたと思います」と胸を張った。
トミー・ジョン手術することを発表した後輩に「焦るな」
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袂(たもと)を分かった後輩のことを、今でも気にかけている。先日、トミー・ジョン手術に踏み切ることを発表したオリックスの吉田とは、今オフも食事をともにした間柄だ。「かわいい後輩やけど、今は相手チームやから、相手のトレーナーさんがしっかり対応するやろうし」と前置きしつつ、「(手術の)連絡が来て、『手術するのは悪いことじゃないと思うから、とりあえずリハビリだけはしっかり、慌てずやれ』ということは言った。本人的に焦りも出てくるやろうから、『焦ることなくリハビリに集中した1年にしろよ』とは、言いました」とエールを送ったことを明かした。
「今の間にできることをやればええんよ」
通算869試合に登板している鉄腕もまた、多くのケガと戦い続けてきた。左肘にメスを入れた経験も持つ。リハビリ期間の心情は、痛いほど理解している。「やっぱり、焦るんよね。早く投げたい、投げたいで。俺もそうやったし。でも、(吉田は)まだ先が長いし、その他にもやることがいっぱいあるわけやから、遠道のようにして近道に感じるような1年にしないとあかんと思うから。結局、後々やらなあかんのやから、俺みたいにこうやってチェンジアップ覚えたりとか。それやったら、今の間にできることをやればええんよ。投げること以外のトレーニングを。先にやるか後にやるかの問題やから。だからそうやって慌てんな、という感じでは言いました」。チームメート時代から慕ってくれていた〝弟分〟へ、優しさにあふれる言葉を伝えた。
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自分の配球パターンをいろいろ試していきたい
2年ぶりの開幕1軍入りへ、視界は良好だ。「プロ野球選手である以上、開幕1軍は目指すところ。本当にルーキーの気持ちというか、一年一年、残り少ないと思うので、思い切って投げたいと思っています。真っすぐはほぼほぼ、でき上がっているんじゃないかな。今年の状態はすごく良さそう。だけどね、バッターもここからどんどん目が慣れてきて体の切れも出てくるし、(球速が)140(キロ)らへんのピッチャーは変化球でしっかりタイミングをずらしたり、というところが大事になってくる。今の間に、自分の中の配球パターンをもうちょっと、いろいろ試していきたいと思っています」。生き生きと野球を楽しむチーム最年長に、死角は見当たらない。