日本ハムの小村勝球団社長が講演 新庄監督は「アンチもいるが、優しい男」 メジャー志向の選手にエールも
北海道政経懇話会の2月例会で講演した日本ハムの小村球団社長=撮影・神馬崇司
〝奇跡の社長〟 北海道政経懇話会2月例会で登壇
北海道政経懇話会(代表幹事・宮口宏夫北海道新聞社社長)の2月例会が26日、札幌市内のホテルで開かれ、日本ハムの小村勝・球団社長兼オーナー代行(59)が登壇した。昨年6月にくも膜下出血で倒れ、生死の境をさまよいながらも一命を取り留めた〝奇跡の社長〟は新庄剛志監督(53)との心温まる交流エピソードや、今季のリーグ優勝に懸ける熱き思いを口にした。
チーム成績、営業利益ともに躍進した2024年
約160人の会員を前に「Challenge With Dream/ファイターズの挑戦」と題し、講演した。チームは昨季、2年連続のリーグ最下位からジャンプアップし、2位と躍進。本拠地・エスコンフィールド北海道を含む北海道ボールパークFビレッジの営業利益も1年目(2023年)の約36億円から約42億円へと大幅増益となった。
手を抜かないファンサービス 「三つ子の魂百まで」
それでも小村社長は「三つ子の魂百まで。1、2年目とエスコンフィールドは皆さんのおかげでうまくいっていますが、3年目に天狗になって油断してはいけない。3年目にできた人格、性格が百年続く。3年目に自分たちのサイズ、スケール、ポジショニングが決まる。この3年目こそ、ファンサービスファーストに手を抜かない。儲けたらいい―ではない。サービスレベル、満足度を上げ、また来たいというリピーターを増やしていきたい」と熱っぽく語った。
若者の挑戦を歓迎 メジャーリーガーのダル&大谷にも言及
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さらに、ダルビッシュや大谷ら、日本ハムからメジャー舞台に巣立っていったプレーヤーにも触れた。
「ファイターズに行くと、次の夢まで手が届くかもしれない。ダルビッシュや大谷も。(球団の)思いは、ファイターズでステップアップして夢をかなえる若者に伴走していきたい。それは今も変わらない」と語気を強めた。
看護師に怒られた新庄監督
新庄監督との秘話も披露した。昨年6月、くも膜下出血で倒れた。約14時間もの大手術を経て、後遺症もなく職場復帰した。術後、指揮官は頻繁に見舞いに訪れたという。
「しょっちゅう試合前に来て、いろいろ笑かしていく。まだ意識がない時、(手術の影響もあり)顔がパンパンに腫れている自分と(自撮りで)ツーショット写真を撮って、看護師さんにすごく怒られていた。『治った時に見せようと思ってました。治るの当たり前でしょ』ぐらいに言っていた。勇気づけられた。アンチもたくさんいるのも事実ですけど、根は本当に優しい、いい男」と目を細めた。
狙うはもちろんリーグ優勝&日本一
2025年シーズンは新庄体制4年目となる。
「(クライマックス・シリーズのファイナルステージでソフトバンクに)福岡で3連敗した後、新庄さんと話しました。お互い、眠れないぐらい悔しかった。北海道から、たくさんの方々が来てくれた。(今年は)そこを突破して、なんとか優勝する。福岡をやっつけたい。今年は優勝を目指して頑張っていきたい」。チームを代表し、高らかに宣言した。