高校野球
2025/03/13 12:00 NEW

【10年前の忘れもの】⑦夏の甲子園最後のエース・西嶋亮太(28)選抜甲子園出場の東海大札幌高へ必勝エール

超スローカーブが社会現象になりダルビッシュが持論展開

2014年夏のエース西嶋亮太さん=撮影・西川薫

2014年夏 21年ぶり勝利挙げたエース

 3月18日に阪神甲子園球場で開幕する選抜高校野球大会に東海大札幌高が10年ぶりに出場する。2016年春に東海大四から校名変更後は初。道新スポーツデジタルでは歴代のOBらから後輩への必勝エールを取材。「10年前の忘れもの」と題してお届けする。第7回は2014年夏に21年ぶりに勝利を挙げた西嶋亮太さん(28)。テレビの視界から消える〝魔球〟超スローカーブは、メジャーリーガーのダルビッシュ有さん(38、当時レンジャーズ)を巻き込み論争を呼んだ。(学年は当時、敬称略)

〝計測不能〟スコアボードに表示なし

 11年前の夏、九州国際大付戦で見せた計測不能の魔球は、いまも甲子園ファンの語り草だ。4-0で迎えた四回。先頭打者へ自称50キロ台のスローカーブはゆっくりと大きな弧を描いて捕手のミットへ。スコアボードには球速表示はなし、中継したテレビカメラの枠からも一瞬消えるほど。南大会よりも、さらに高さのあるボールにスタンドはざわついた。「勝てると思ってないじゃないですか。行けるだけで、ってことで、自分のできること、最大限に、ってところで、最大限にやりました」。結果は12奪三振、1失点完投勝利。マウンドを思いっきり楽しんだ。

2014年8月14日、全国高校野球選手権大会の九州国際大付戦・八回、清水(現日本ハム)に魔球を投じた西嶋(左)

 

球速差を出すため編み出した遅球

 小柄な西嶋の最速は142キロ。球速差を出すために編み出したのが遅球だった。打者の目線を上げる効果を狙うなど、決して打者をばかにするような意図はなかったが、九州国際大付戦後、元アナウンサーがツイッターで批判するなど、当事者をよそにネット上では場外乱闘が起きた。そこに加勢したのがダルビッシュだった。ツイッターで「自分としては一番難しい球だと思ってます。言ってる人はピッチャーやったことないんだろうなと思います」と発信したことで事態は沈静の方向へ向かった。

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 「うれしかったっすよ、素直に。でもそれでやるべきことが変わったか、と言われたら、別に変わってないですし、それで僕の能力が上がるか、って言われたら、別に上がらないですし。それは一つの仲間として、ファンだと思って思い切ってやろうと」

2014年8月19日、全国高校野球選手権大会の山形中央戦・七回、魔球を投じた西嶋

 

その夏一番の快投は甲子園ではなく…

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