北照高 昨季までヤクルトでプレーのOB西田明央さんがテクニカルアドバイザー就任
テクニカルアドバイザーに就任した西田さん(右)と恩師の上林監督=撮影・西川薫
昨秋の全道大会16強の名門 捕手陣にテコ入れ
春夏通算10度の甲子園出場を誇る北照に、強力〝助っ人〟が加わった。昨季までヤクルトでプレーしていた西田明央さん(32)。捕手としてヤクルト一筋に14年間、プロの飯を食った頼れるOBが3月1日付でテクニカルアドバイザーに就任した。
さらに社会人野球の強豪・鷺宮製作所で10年間プレーし、現在は札幌でキャッチャースクールを運営しながらメンタルトレーナーとしても活動する秋山泰隆さん(45)を講師に招いた。19年夏から遠ざかっている聖地へ、名門が捕手陣の強化に乗り出した。
3日に後輩たちと初対面 約3時間の熱血指導
昨年末に同校の室内練習場で行われた少年野球教室に参加した西田さん。今年2月にアマチュア指導者資格を取得し、高校生や大学生への指導が可能になった。3日に初めて後輩と対面。真剣なまなざしで向き合った。
「子どもたちと触れ合えて楽しいですね。純粋で、できるようになった時の表情とかが。昔はあんまり感じたことなかったですけど、やっぱり(自分にも)子どもができて。喜んでくれると、すごくうれしい」。初日は約3時間半、関西弁を交えながら、熱の入った指導を行った。
後輩たちを熱心に指導するOBの西田さん(中央)
キャッチャーの強化が急務 上林監督「捕手が良い代は強い」
北照は昨秋、全道16強。捕手出身の上林弘樹監督(45)は「うちはキャッチャーが重要なポジションなんで、その強化を図りたいのが一番の理由。捕手が良い代は強い」。3年時に春夏連続で甲子園に出場した西田さんや、3度、聖地の土を踏んだ小畑尋規(28、トヨタ自動車)の名前を挙げた。
春の千葉合宿でも指導予定
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名前を挙げられた西田さんは「ピッチャーが良かったんで(笑)」と、同期で一緒にヤクルト入りした又野知弥さん(32)を持ち上げた。
続けて「ある程度、バッテリーがしっかりしてるチームがやっぱり甲子園に出てると思います。ゲームをつくるのはバッテリー。良いピッチャーが何人かいるんで、キャッチャーさえしっかりすれば勝てるんじゃないですかね。(聖地から)離れてますからね、僕が関わるんやったら、本気で甲子園に行ってほしいんで。そのためのお手伝いができれば」。3月中旬から4月上旬にかけての千葉合宿にも、足を運ぶ予定だ。
〝強化指定選手〟は正捕手の遠藤
捕手は9人いる。中でも最も強化すべきは昨秋の正捕手・遠藤圭人(2年)だ。「去年から、自分たちの代はキャッチャーが弱いと言われてきた。自分がもっと頑張んないといけない。夏を見据えて自覚と意識を持って、練習も取り組んでいかないといけない」と危機感を募らせている。
この日、西田さんからマンツーマンで指導を受ける場面もあった。「自分たちはボールを上から見ていた。寝っ転がってボールを転がしてもらうと、同じ目線で見れる。その姿勢だと、ボールを下から見る習慣が付く。自分たちにそういう発想がなかった。ボールを下から見ると、キャッチングが下からできる。ブロッキングにもつながる。キャッチングがスムーズにできる」。元プロ選手からの助言を早速、取り入れるつもりだ。
昨季までヤクルトでプレーしたOBの西田さん(右)から指導を受ける遠藤捕手
1月には香田誉士史さんとともに札幌で講演
前日の2日には、秋山さんが2度目の指導に訪れた。捕手スクールのほかにも、メンタルトレーニングも手がけている。1月には札幌で、かつて駒大苫小牧を率いた香田誉士史さん(53、現駒大監督)と講演を行った。北照メンバーも最前列で食い入るように聞き入った。
遠藤は「自分、投げるのが少し苦手でイップス気味になってしまう。ビジョントレーニングは自分たちも取り入れてたんですけど、目の動き(を向上させる)だけではない。目の動きでリラックスもできる。口周りを触ったり、引っ張ったりすると、副交感神経が働いてリラックスするとか、自分が焦ってしまった時とかに、すごい役に立ちそうなことが多くあった」
札幌でキャッチャー専門スクールを運営するメンタルトレーナーの秋山さん(中央)
秋山さんもサポート継続を約束
秋山さんは「捕手は1人だけ反対を向いてるので、情報をキャッチする力はすごく大事だと思いますし、プラス受信した後の発言力、発信力も必要。プレーはまず取るところ。キャッチングをもうちょっと一緒にできたら」。今後も技術面、メンタル面のサポートを継続していく。
捕手陣を指導する秋山さん(中央)