東海大札幌高の新戦力・藤根&藤田の台頭に遠藤監督も「大フィーバー。持ち味が出た」とご満悦
今季初の対外試合で3安打とアピールに成功した東海大札幌高・藤根(右)と2回無失点と好投した左腕・藤田=撮影・西川薫
▽練習試合 東海大札幌高4-3京都外大西
3安打に2回無四球無失点
センバツ甲子園(18日開幕)に出場する北海道代表の東海大札幌高は8日、今季初の対外試合を京都外大西と行い、4-3で勝利した。愛媛遠征で打ちまくって初のベンチ入りを射止めた藤根龍之介(2年)は、「2番・一塁」で先発出場すると長打2本を含む3安打の固め打ち。また、同遠征終盤に左目のアデノウイルス結膜炎から復帰して最後の最後でベンチ入りを決めた精密左腕・藤田晴也投手(2年)は2回無四球で無失点と好投した。日本航空石川と対戦する23日の初戦ギリギリまでスタメン9人の座を争う。
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背番号20の藤根のバットが快音連発
再び激しい競争が幕を開けた。背番号の20番の藤根のバットから何度も快音が響き渡った。三回の第2打席から右翼線二塁打、右中間三塁打、中前打。「3本打てたのは良かった。全部詰まってしまって思い通りのバッティングはいかなかったけど、右中間への当たりは自分の中でしっくりきたバッティングだった」と胸を張った。遠藤愛義監督(40)も「大フィーバー」と頬を緩めた。
「2番・一塁」で先発出場した東海大札幌高の藤根が2長打を含む3安打と大アピールに成功
重くても遅くない! 勝負した2長打
168センチ、88キロの体つきだが、機動力を生かして長打が2本。指揮官は「太っているけど遅くはないんです。彼もきょうは勝負だという思いでやっていたので、打順も早めに使って結果が出た。走塁だとかまだ苦手な部分があるので、そこを詰めて進めていければ、もっと面白くなる選手」と、2番に据えた理由を明かした。
父が知内で甲子園出場
藤根の父は1993年にセンバツ甲子園に出場した知内で三塁手だった真也さん(49)。幼い頃から自宅に飾ってあった甲子園のボールや写真を見て育った。印象に残っている甲子園の試合は2017年夏の3回戦のカード・仙台育英-大阪桐蔭戦。1点リードの大阪桐蔭は九回の守備で2死一、二塁からショートゴロを一塁手がベースを踏み損ねて、そこから逆転サヨナラ負けを喫した。「甲子園にはドラマがある。僕もやらないようにしたい」。同じ一塁手候補として、教訓を頭に叩き込んでいる。
エース矢吹からの激励
昨秋、ベンチ入りすることができずに腐った時期もあった。その時、ファイターズジュニアでチームメートだったエース・矢吹太寛投手(2年)から「おまえはいいものを持っている」と励まされ、「ラストシーズン、死ぬ気でやらないと」とメンバー入りへ向けて練習に励んできた。
一塁手で先発出場した東海大札幌高の背番号20・藤根
高校デビュー戦が甲子園となるか
出場を勝ち取れば、高校野球デビュー戦がいきなり甲子園になる。「今日、3本出たので1歩リードしたというか、幸先がいいけど、ここから落ちていかず、今の調子を維持して甲子園に乗り込みたい。緊張すると思うけど、自分のスタイルというか、フルスイングを忘れず、初球からどんどん振っていきたい」。重量打線に厚みを加えるつもりだ。
「陰のエース」と呼ばれるマダックス男が抜群の制球力披露も…
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投手陣では〝マダックス男〟藤田晴也(2年)が、矢吹投手と昨秋のエース・高橋英汰(2年)のダブルエースに挑戦状を叩きつけた。最速は129キロながら、練習試合2番手で登板すると、正確なコントロールで2回無失点。打者7人に要した球数は19球。「変化球が浮いてしまったりもしたので、結果0点ですけど、自分的には納得はいっていない。今は無理に球速にこだわらないで、磨いてきたものをいかにうまく使ってバッターを打ち取るか」。生命線の制球力の精度を高めて勝負する。
遠藤監督は7日の甲子園組み合わせ抽選会で、藤田のことを期待を込めて〝陰のエース〟と呼んだ。この日の投球内容には「不用意に高めに浮くことがちょっとあるので、それを痛打されているシーンもあったので、もうちょっと成長してほしい点ではある。ただ、持ち味が出た内容だったので、どこかいいタイミングで使いたい」と高評価した。
2番手で登板した東海大札幌高の藤田が抜群の制球力で2回無失点
中学時代に全国制覇
札幌藻岩中2年時に札幌選抜に選ばれ、政令指定都市中学生野球大会で全国優勝の経験がある。昨年の夏休みの練習試合で2試合連続で99球以下で完封勝利するなど、頭角を現した。秋の札幌支部では、2試合に先発して無失点。秋の全道一回戦の鵡川戦、明治神宮大会2回戦の広島商業戦でも短いイニングながら登板し、ここまで公式戦6回1/3を投げ、いまだ無失点。「食い込みたい」とダブルエースの二人に割って入る気概は十分だ。
愛媛遠征は結膜炎で出遅れ
大舞台に間に合わないかもしれないピンチだった。メンバー選考が行われた愛媛遠征出発の5日前、突然左目がかゆくなって腫れ上がった。遠征には帯同したが、眼帯をしたままチームのサポート役に回った。病院の検査を経て最後の2日間だけ参加が許されたが、当初のメンバー発表に藤田の名前はなかった。落ちこみかけたが、2月下旬に3人の入れ替えが発表され、自分の名前も呼ばれた。「うれしかったです。小学校の頃から夢見ていた甲子園。しかも小学校の時に一番初めに付けた背番号と同じ13番だった」。エースナンバーではないが、自分だけの特別な番号で、特に気に入っている番号だ。
「四高魂」で部員一丸、総攻撃だ
ポジション争いはまだまだ続く。大阪入りした7日、指揮官が特別にデザインした練習用キャップとパーカーを配った。東海大の「T」と校名変更前の東海大四の「四」をローマ数字「Ⅳ」で表したデザインには「四高魂」が込められている。さらに指揮官が監督に就任したときに考案した総攻撃を意味する「ALL OUT ATTACK」の文字も付け加えられた。ベンチ入り20人だけじゃなく、サポートする部員、スタンドで応援する部員、すべての部員が一丸となって頂点を目指していく。
センバツ用練習キャップを見せてくれた東海大札幌高の遠藤監督
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