吉田賢吾 4打数4安打1打点の大暴れ 2軍降格経験し取り戻したものは
六回2死一、二塁、安打を放つ吉田=撮影・松本奈央
■オープン戦 中日6-6日本ハム(3月8日、エスコンフィールド北海道)
ソフトバンクから現役ドラフトで加入した日本ハムの吉田賢吾捕手(24)が、オープン戦の今季初出場となった中日戦で4打数4安打1打点と大暴れ。F戦士の一員として初めて本拠地・エスコンフィールドに登場し、北海道のファンにその名を強く印象づけた。
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1軍再合流初戦となった試合は、不運な出来事でスタートした。経験の浅い三塁手として先発出場するも、二回無死一塁の場面で三ゴロを弾いてしまい、ピンチを拡大させた。「1球目が早く飛んでこいと思っていて。そこをさばいてリズムに乗っていこうと思ったら、さばけなかった」。結局この回は3失点してしまい、「ピッチャーにはすごく申し訳なかった」と猛省する。しかし「あそこでズルズル行かないように、自分の中でしっかり切り替えができたのが、今日の結果につながった(要因の)ひとつ」と、メンタルを落とさずに前を向いたことで、大活躍の舞台の幕が開いた。
四回2死一塁、二塁打を放った吉田
慣れない三塁守備で失策も気持ち切り替え打撃で反撃
その裏の1死一、三塁の場面で右前適時打を放って反撃ののろしを上げると、四回の第2打席では好投を続けていた中日先発のマラーに対して、9球粘った末にレフトオーバーの二塁打を放つ。さらに六回2死一、二塁の第3打席では左前打を放ってチャンスを拡大させて、水野の満塁弾をお膳立て。最終第4打席ではセンター前にはじき返し、全打席安打を達成した。
「打席を重ねていくごとに、つながりのある…」
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この日の好打を振り返り「4打数4安打というのはすごく良いことですけど、それ以上に内容が(良かった)。1打席1打席整理もできていたし、打席を重ねていくごとに、つながりのある4打席になったと感じます」と、十分な手応えを感じることができた。
打球速度や飛距離にとらわれ過ぎて「まずいな」
今季から日本ハムに加入し、春季キャンプは1軍メンバーとしてスタート。だが実戦でなかなか活躍することができず、途中で2軍落ち。「バッティング練習で打球速度を測っていることもあって、最初は打球速度や飛距離とかにフォーカスしてしまった。良い面もありましたけど、実戦に入っていく中で感覚のズレがすごく大きくて、このままだとちょっとまずいなと」。2軍落ちを逆に好機と捉えて、「もう一回自分のバッティング、センターから逆方向に丁寧にバッティング練習をしていくことを始めて、少しずつ良くなっていった」。自らの打撃を取り戻し、再び迎えた1軍の舞台で、その成果を発揮した。
四回、二塁打を放った吉田を迎える新庄監督
試合前のフリー打撃で急遽スタメン射止めた
当初はベンチスタートの予定だったが、新庄監督が試合前練習のフリー打撃で快音を響かせる吉田の姿を目撃し、急遽スタメン起用を決めた。千載一遇のチャンスをがっちりつかみ取った吉田の活躍は、シーズン中まで続いていきそうな予感が漂っている。