ファイターズ
《ハム番24時》3月9日

粘り強い主張が認められた。8日の試合前練習中、マルティネスの打球が、左翼ポール際の柱に設置された「SHINJOボード」付近に飛んだ。ただ、ボードを直撃したのか、外れたのか、真相がはっきりしなかった。本人は「次の球に備えるため、最後まで打球を目で追えなかった」という。近くで見ていたコーチ、スタッフの意見は割れていた。
練習とはいえ、賞金と名誉が懸かっている。マルティネスは「ビデオチェック、お願いします」と要求していた。しかし、打球の行方を正確に判定できる映像は、見つからなかったようだ。
「1ミリでも当たっていたら渡します」と明言していた新庄監督はすぐに決断した。練習の場合の賞金1万1100円をポケットマネーで用意。この日、八木打撃コーチを通じて贈った。同コーチは「ちょっと下に当たった感じもあるけど、認定しました。(新庄監督に渡された賞金は)現生です。ポチ袋にも入っていなかった」と笑って明かした。
マルティネスは日本語で「やりました!」と、してやったり。試合時の賞金111万円を引き合いに出し「次は試合で打てるように頑張ります」と張り切っていた。一応、1万1100円の使い道を聞いたら「中日の皆さんへの差し入れに使います」と即答。古巣への気遣いも忘れない。おちゃめでナイスガイな人柄がにじみ出ていた。