北山亘基 4回0封で開幕ローテ入りへ前進 ファンとの触れ合いを力に変える
先発し、4回を無失点に抑えた北山=撮影・松本奈央
■オープン戦 中日0-1日本ハム(3月9日、エスコンフィールド北海道)
自身今季初の本拠地マウンド
開幕ローテをグッと引き寄せた。先発のマウンドに上がった日本ハムの北山亘基投手(25)が、中日打線を4回2安打無失点に抑える好投を見せた。
150キロ超の直球を軸に、序盤からテンポのいい投球を披露。制球も安定しており、無四球で投げ終えた。ファンサービスを大切にする男の今年初となる本拠地マウンドは、ファンも大喜びの快投だった。
これぞ北山のストレート!
登板後、表情には充実感がにじんでいた。4回をわずか50球で投げ切り「きょうはストライクゾーンで勝負をして、フォアボールもなく、いいテンポで投げられたので良かったかなと思います」 と振り返った。
特に直球の威力と制球は抜群で、相手打者はことごとくボールの下を振っていた。この球質には「どの球速帯でも真っすぐに関してはすごくファウルも取れましたし、空振りもかなり多かったんじゃないかな」と手応えを感じているようだ。

着実に力強く成長中
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1年目から計画的にトレーニングを積んできたことで、思い描く体に近づいている。体が安定してきたことにより、不安要素も年々、減ってきた。 現にイニング間の過ごし方にも変化が見られている。これまでは少し気になる部分があると、イニング間にベンチ裏でストレッチやエクササイズを行っていたが、イニングごとに波が生まれる一因にもなっていた。しかし、今年は体を動かすことはなく、試合に集中することができているという。
「いいピッチングができている間は基本、何もしなくても継続できるっていうのは、去年から分かってたこと。悪い時に細かいところに意識が行ってしまうので、もっと手前のところでしっかり完結させて、試合に入ったら対バッターに集中するっていうところを今、意識してやってます」

率先するファンサービスファースト
今年の春季キャンプは例年よりも気温が上がらず、肌寒い日々が続いたが、北山は練習終わりのファンサービスを欠かすことはなかった。一人一人としっかり向き合い、色紙にサインを走らせ、写真撮影にも応じる姿があった。
「応援してくれる人が多い職業なので」とサラリと言ってのける。そして「僕自身もパワーをもらえる部分がある。感じることがすごく多い時間なので、しっかりと大事にしたいと思います」と、ファンと直接、触れ合うことでシーズンを戦い抜く力に変えているようだ。この日は、そのパワーをエスコンのマウンドで示すような登板となった。
二回、力投する北山=撮影・宮永春希
加藤投手コーチも賛辞 「順調です」
開幕ローテ入りへアピール十分の投球内容だった。加藤投手コーチも「(開幕ローテに)入るものだと思って投げさせている。順調です」と太鼓判を押した。
ここからさらに精度を上げていく。「もうここまで来たら、いろんな方が見て感じるままだと思う。まず一番は結果ですけど、その上で見ていて楽しかったりとか、ワクワクするようなピッチングができたら」。相手を圧倒する投球で、自らの立ち位置を上昇させていく。
四回を無失点に抑え、ベンチに戻る北山