スパチョークが一矢報いるチーム1号「僕たちは諦めていない。勝つんだ、という姿勢を見せたい」
前半38分、今シーズンチーム初ゴールを決め、ガッツポーズを見せるMFスパチョーク(左)=北波智史撮影
■J2第4節 札幌1-3千葉(3月9日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
北海道コンサドーレ札幌のMFスパチョーク(26)が9日、千葉戦に左シャドーで先発出場し、0ー2の前半38分にチームの今季初得点を決めた。泥沼の開幕4連敗を喫した札幌だが、攻撃の形は見えつつある。待望のゴールをきっかけに、最下位からの逆襲を図りたい。
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空気ガラリと変える一発
タイの至宝が、2万超の観衆を熱狂させた。2点を追う苦しい展開。技ありの一撃が、プレドに漂う重たい空気をガラリと変えた。田中宏が送った左クロスのこぼれ球に反応した背番号7は、ダイレクトで右足を振り抜き、ボールをゴール右上に突き刺した。
前半38分、右足を振り抜き、先制ゴールを決めるMFスパチョーク(右)
得点後にはスタンドへ向けて何度も両手を振り上げ、サポーターと共に初ゴールの喜びを共有した。「こんなにたくさんのファンが入ってくれた。ゴールを決めたときには、絶対に勝つんだという気持ちが出た。僕だけではなくチームメートみんながゴールに向かう姿勢だったので、その結果だと思う」。無得点の呪縛から解放され、少しだけ相好を崩した。
攻撃面ではたくさんの可能性 今後も得点は増える
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4戦連続複数失点の守備には多くの課題を残すが、攻撃面ではたくさんの可能性を示した。この試合ではスパチョークと田中宏が絶妙な距離感で連係を取り、再三再四チャンスを演出した。
「よりプレーが良くなるようにピッチ外でもいっぱい話をして、改善していこうとしている。この2試合は良い連係や、良い崩しがあった。きょうみたいな得点が今後も増えると思うし、増やさなければいけない。できるだけ良い得点が生まれるよう頑張りたい」
前半38分、ゴールを決めて喜ぶMFスパチョーク(左)=撮影・石川崇子
悪い流れを断ち切るためには
迷い込んだトンネルは、予想外に暗くて長い。1シーズンでのJ1昇格を狙うクラブにとって、開幕4連敗の持つ意味はあまりに大きい。フラストレーションが募り、悲観ムードも漂う中で、スパチョークはプロフェッショナルな仕事に徹する構えだ。
「試合内容が悪くないのに勝ちきれないことが、とても残念でチーム全員が悲しんでいる。今は取り組んでいることを続けたい。結果は付いてないけど悪い流れを断ち切るには、やり続けるしかないから」
意味ある今季初得点にするために
単なる空砲か、希望を灯す一発か。今季初ゴールの価値を決めるのは、未来の結果だ。「僕たちは諦めていない。見てくれるサポーターも応援してほしい。自分は今後もゴールやアシストに絡むプレーをしようと思っているし、勝つんだという姿勢を見せたい」。一刻も早い春の訪れを、誰もが願っている。
前半38分、ゴールを決めてチームメートと喜ぶMFスパチョーク(中央)