細野晴希 金子コーチ&伊藤大海から助言のカットボールに手応え マウンドでは〝実況〟も!?
3月9日の教育リーグ・オイシックス戦で先発した細野=撮影・中田愛沙美
新たな武器を携えてプロ2年目シーズンへ
日本ハムの細野晴希投手(23)が、大きな武器となりそうな〝魔球〟を完成させた。
春季キャンプ中、金子千尋2軍投手コーチ(41)とエース・伊藤大海投手(27)に教えを請うたカットボールだ。
9日のオイシックス戦で好投を〝アシスト〟
9日には春季教育リーグ・オイシックス戦(鎌ケ谷)に先発し、4回54球を投げて1安打無失点と好投した。
「球が遅いっす。(1)48(キロ)くらいしか出なかった」と反省した一方、「めっちゃいいっす」と大きな手応えを得たのが打者の手元で小さく曲がる変化球だった。

エース&沢村賞右腕からレクチャー
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キャンプでは伊藤と話す機会があり、握りなどをレクチャーされていた。
「大海さんに教わってイメージはできていたんですけど、実際に投げてみて難しくて。ネコさん(金子コーチ)に3日前くらいにアドバイスをいただいて、投げてみたら意外と球が速かったので。じゃあ、これでいこうって」。金子コーチに手首の角度について助言を受け、投げてみるとしっくりきた。
納得のピッチング さらなる精度アップへ
早速、試合で威力を発揮した。9日の登板では、130キロ台後半のカットボールで空振りを奪い、「だいぶバッターの反応も良かったので、大収穫です。ちょっとゾーンを狙った分、球速も落ちたんですけど、ここから少しずつ上げていければって感じです」と大きくうなずいた。

層の厚い先発投手陣 「焦らず、やっていきます」
ルーキーイヤーの昨季は、左肩を痛めた影響もあり、1軍で2試合の登板にとどまった。開幕まで約3週間。先発ローテーション入りへ、自分の置かれた現状を冷静に分析している。
「いやあ、(先発陣は)すごいですね。大海さんも。(9日の中日戦は2軍の)試合中だったので、ちゃんと見られなかったですけど、軽く見て。北山さんもいいボールを投げていた。ちょっとまだ僕とは現状、差があるなと思った。焦らず、やっていきます」
言語化能力の向上にも取り組む
そんな先輩たちに少しでも近づこうと、新たな取り組みもスタートさせた。自分の思いや感情を言葉にするスキルを磨いている。
「今、言語化の本を読んでいて、試合中とか実況しながら投げています。頭の中でぼんやりと分かっているんですけど、言葉にしようとすると全然、出てこない。ボールを投げて、今、自分に起こっていることを口にした方が整理できるし、すっきりする」
例えば、こんな感じだ。「カットボールを投げた時は、今のちょっと(球速が)遅かったけど、バッターの反応が真っすぐ待ってそうな反応だった、とか」。マウンドに立ちながら、気軽にアウトプットできる環境をつくっている。
先発した細野(左)と女房役を務めた清水優
狙うは2年目の飛躍 着実に力強く成長中
さまざまなことに挑戦する細野の表情は明るい。
「自分が今年どうなっていたいか、イメージが鮮明になってきている。考え方とか落ち着いてきたかな」。1軍の舞台で躍動する自身の姿を思い描けている。