《岩本勉のガン流F論》引退後にトレンディーエースから打ち明けられた事実 首脳陣からの期待を力に
■オープン戦 日本ハム2ー5ロッテ(3月12日、ZOZOマリンスタジアム)
特長を出すことができなかった斎藤
辛口にならざるを得ない。ピリッとしなかった2投手についてだ。時系列とは逆ではあるが、まずは2番手の斎藤だ。結果は1回5安打2失点。新庄監督からクローザーに指名されている。この試合に限っては、そのレベルに達していない。ことごとくボール先行。圧倒的な力で相手打者をねじ伏せる特長がまるでなかった。
見せてほしいリバウンドメンタリティー
ポテンシャルが高いのは誰もが認める。だから言いたくなる。クローザー指名。こんな大チャンスはないで! 彼に求めるのはズバリ、リバウンドメンタリティー。次の登板ではドカン!と、相手を圧倒するピッチングを頼むで! この日ですべての膿を出し切った。そう思うしかない。開き直って次回登板に向かってもらいたい。
高かったボール 危機回避能力は見事
そして金村。こちらは開幕投手に指名されている。前日の山崎とは立場が違う。チームメートを安心させる投球を披露しなければいけない。5回6安打3失点は全般的にボールが高かったのが原因だ。
ただ、危機回避能力はさすがだ。三回以降は走者を出しながらも無失点にまとめた。自身の状態を把握し、試合中にギアチェンジできる。悪いなりにも失点を食い止めるセンスを持っている。並の投手ならば、一気にたたみ込まれている。
プロ3年目で抜てきの開幕投手 力があるのは事実
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大きな心配はしていない。だが、こちらも次回、ピリッとしたところを見せてもらいたい。プロ3年目で開幕投手という大役を任せられた。新庄監督によるサプライズ指名ではあったが、力があるからこそ声がかかったのだ。それは紛れもない事実だ。意気に感じてほしいし、万全の状態で、3月28日を迎えてもらいたい。
開幕戦が雨で流れて巡ってきた大役
首脳陣やチームメートからの期待は力の源になる。トレンディーエースと呼ばれた西崎さんから打ち明けられたエピソードに身が震えた。1996年。プロ7年目で初めて開幕投手を務めさせてもらった。ただ、この年は開幕戦のオリックス戦が雨で流れ、結果的に翌日に先発した私がオープニングゲームのマウンドに立つことになった。スコアは0-1。8回完投し1失点で負け投手となった。
エース西崎のスライド回避と思っていたが…
もともと、開幕ゲームのマウンドには押しも押されもしない大エースだった西崎さんが立つ予定だった。西崎さんがスライド登板を嫌ったため、私に大役が転がり込んできた…とずっと思っていた。
互いにユニホームを脱ぎ、解説者として野球に携わるようになっていたある日、西崎さんのゴルフチャンネルに出演する機会をいただいた。そこで真相を知った。
首脳陣が見極めていた実力
チャンネル撮影の際に「スライド登板って難しいですか?」と聞いた私に西崎さんは「なんで?」。そこで96年の開幕戦を振り返ったのだ。すると、西崎さんは続けた。「アホ!(スライドを)嫌がってへんよ!ただ、首脳陣から、一回(先発機会を)飛ばそうって言われただけだよ」
その言葉にハッとした。上田監督は自分を買ってくれていた。期待してくれていた。現役を退いてから、あらためて知った事実。熱い思いが再度、胸にこみ上げてきた。だから、金村よ。新庄監督ら首脳陣の期待を力に変え、晴れ舞台で躍動してや!
今川を祝福! ナイスホームラン!
もう一つ、言いたい! 今川、俺は見てるで! みんなも見てるで! ナイスホームラン!