福島蓮 〝金子式〟チェンジアップ習得へ「つかみかけています」 沢村賞右腕が送った助言の内容は
DeNA戦の試合前練習で外野を歩く福島=撮影・中田愛沙美
新球に手応え 「いけそうな感覚があります」
日本ハムの福島蓮投手(21)が12日、オフから取り組んでいる〝金子式〟チェンジアップ習得に一歩前進した。
金子千尋2軍投手コーチ(41)が見守る中、ブルペンで投球練習を行い「ずっと練習していたんですけど、きょう初めていい感覚でした。いけそうな感覚があります。つかみかけています」と笑みがこぼれた。
新たに携える武器は〝真っチェ〟
このオフからピッチングの幅を広げるため、「ちょっと遅い真っすぐ」〝真っチェ〟の習得に励んできた。秋季キャンプでは、チェンジアップの使い手として知られる沢村賞右腕に付きっ切りで指導を受けることもあった。
「最初、金子さんみたいなチェンジアップを練習して、ダメだと思って違うチェにして、もう一回、戻しました。金村さんも〝真っチェ〟を投げていたので(助言を)聞いて。こっち(2軍)に来るから(金子コーチに)聞こうと思ってやってみたら、試合でいけそうな感じです。この前まで試す価値なしだったけれど、試す価値がありそうです」。試行錯誤の末、ようやく手応えをつかんだ。
ブルペンで投球練習を行った福島。左は金子2軍投手コーチ
すべてをプラスに 2軍行きも無駄にはしない
6日の西武とのオープン戦(エスコン)に先発し、4回1安打無失点。開幕ローテーション入りへ猛アピールしたが、チーム事情もあり、2軍降格を告げられた。
「あまりヘコむタイプではないので、大丈夫です」。金子コーチから教わる絶好の機会だと、前向きに捉えた。早速、話を聞きに行くと「すぐに良くなった。すごいっす」と劇的な変化があった。
クレバーな金子コーチ自らが解説
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金子コーチが、目からうろこなアドバイスの一端を明かした。
「ちょっとしたことです。スピードが出過ぎちゃう。本来なら腕の振りが緩んでしまうので、それをしたらダメと伝えて。力が伝わらないためにどうするかということをちょっと考えてもらって。なかなか答えが出てこなかったので、こういうふうに投げてみてと言った時に、本人の感覚も悪くなくて、投げたボールも良かった。きょう、ある程度、ストライクゾーンにいい球を多く投げられたので良かったんじゃないかなと思います」
すべてはバッターを打ち取るため
今後、投げていく上で、大事なことも伝えたという。
「当たり前の話なんですけど、キャッチャーの意見を聞きがちというか。あのチェンジアップは変化しないので、キャッチャーからしたら、なんてことないストレートの遅い球。でも、ストレートと違うことが大事で、球速もストレートと約10キロくらい差があれば大丈夫。キャッチャーの意見を聞くな、とは言わないけれど、参考にしすぎないように。結局(投手が)誰のために投げているかというと、バッターのため。バッターがどう思うかの方が大事という話をして、これでも、しっかりストレートと差があると伝えました」

イースタン・リーグ開幕戦で解禁へ
福島の次回登板はイースタン・リーグ開幕戦となる15日のロッテ戦(鎌ケ谷)の予定で「開幕戦、余裕あったら使いたいですね。ずっと練習はしていましたけど、試合で投げるのはちょっと…だった。きょうの感じだと、投げる価値ありです」とニヤリ。
金子コーチも「試合で投げないと、感覚はつかめない。バッターの反応も試合じゃないと分からないので。試合でどうなるか、僕も見てみたいですね」と期待を込めた。
さらなる飛躍へ 成長著しい長身右腕
力強い真っすぐに、緩急をつけたチェンジアップがあれば、大きな武器になる。〝新球〟をじっくり磨き、1軍に呼ばれる日を待つ。