《秋田戦後》きょうの朝に岡田を生かすなら、この立ち位置だろうと。一つの最適解が見つかりました

■J2第5節 秋田1-3札幌(3月15日、秋田・ソユースタジアム)
―試合を振り返って
「1勝まで非常に長い時間が掛かってしまった。とはいえ、1勝目がなければ2勝目はありません。よく選手たちが勝ちきってくれましたし、内容的にも素晴らしかった。良い1勝になったと思います。これを叶えたのは選手たちのたくましさと、4連敗しながらもきょうまで選手たちを勇気づけてくださったサポーターの皆様のおかげと感じています。ここまで皆さんに申し訳ないと思うと共に、非常に感謝しなければいけないと思っています」
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―前半から素晴らしい攻撃を展開した。要因は
「積み重ねです。ずっと良くなっているし、ずっと続けていることです。きょうだけ何かをしたわけではない。選手たちが、きょうだけ素晴らしいことをしたのではなく、彼らがこの2カ月間、取り組んできたことが徐々に実を結んで、結果に表れたということです」
―近藤が縦横無尽に動き回った
「いろいろな工夫を毎試合しています。選手の個性をいかに組み合わせるかというところで、かなり苦心してきました。何節のときですかね、(以前)皆さんに、主力選手たち(同士)の合う立ち位置が少しズレているという話をした。きょうはそこを調整しました。近藤も、その一つです。彼が動きやすいスペースをつくり、非常にうまくヒットしたと思っています」
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―4バックの左SBで岡田を起用した
「まず、4バックに変えた、という認識ではありません。開幕から3バックだったのは山口戦、あとはジェフ戦の前半。それ以外は恐らく、少なくとも守備は4バックでした。そこから可変して3バックになる形が一番多かった。3バックから守備で4バックに可変したときに、守れる選手が多くないということで苦労してきた。かといって5枚にすると、きょうのように近藤を前に残せなくなる。同時に発生することを、どのように解決するか。何かをしようとすると、違うところに問題が出てくることの繰り返しだった。岡田の場合は3バックの一角でトレーニングをしてもらっていて、彼には左足の武器がある。そこ(左SB)に収まってくれれば一つの解決策になるというのが頭にあった。攻撃でも4バックのような立ち位置にしようと考えたのは、きょうの朝です。今週は岡田を(主力組に)入れてトレーニングをしてきて、彼の個性を生かせてないなと思いながら見ていた。きょうの朝に岡田を生かすなら、この立ち位置だろうと思った。最後に頭を整理して選手たちにも伝えて、ようやく一つの解決策、最適解みたいなものが見つかりました」
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―鹿島時代に4連敗後に5連勝したデータがある
「よく知ってますね(笑)。あのときの4連敗は、たしか11失点している。今回は10失点で似たような状況だな、と。きょうは無失点で終わってくれると思っていたら1失点したので、また違うんだろうと思います。自分のチームづくりはフレームワークを決めて、選手たちにこれをやってくださいという伝え方ではないので、時間は掛かるのかも知れない。ただこのつくり方は選手の個性を生かすものだと考えている。個性をどう組み合わせるかを考えるのが僕のやり方。組み合わせて、きょうのような最適解が見つかったときに、ものすごく面白い絵が見られる。これは僕が狙ったものではなくて、それぞれの選手たちがピッチで個性を見せようとしたときに、こういう風に出てくる。それが僕のチームづくり。一つ見えたことをまた整理して、選手たちに伝えて、また再現できるように試合をしていく。鹿島の時にはタイトルを取れなかったので、もっと良い未来をつくりたい。ただ、あの時と違うのは5連勝の始まりを守備からつくったんですよね。守備を改善して5試合無失点で切り抜けて、全体のバランスをつくった。今回は皆さんが見たように、攻撃でつくりました。鹿島の時には守備からつくりましたが、攻撃が弾けないと優勝までいかないという自分の中での反省があった。あくまで攻撃で改善する。岡田を入れて4バックにするというのはありましたが、攻撃の方に手応えがあるのは(鹿島時代との)違いです。失点したことは反省ですが、攻撃で圧倒できたことをプラスアルファとして今後につなげたい」
―あらためて初勝利の気持ちを
「ほっとしています。ようやく寝られるな、と思ってます」
―試合前の選手たちへの声掛けは